なかなか湿疹が引かない場合や、何かおかしいと思ったときは、アトピーと思い込む前に、原点に戻って、アトピーかどうか診断する必要があります。これからいくつかのアトピーに似た皮膚の病気をご紹介したいと思います。
シリーズ第2回目は、ダニが原因で起こる疥癬について説明します。
アトピーに似た病気シリーズ
【第1回】接触性皮膚炎
【第2回】疥癬
疥癬とは?
この病気には、ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが、皮膚の角質層内の寄生しておこる皮膚感染症で、赤い発疹が見られます。湿疹だけだとアトピーに似ていますが、発疹が線状に連なっているのが特徴です。アトピーとの違いは、ダニが皮膚にトンネルを作った山が連なっていることです。疥癬の場合は、アトピーの治療をしても治りにくいですし、同じ生活をしている人にうつってしまうことがあります。ヒゼンダニ(疥癬虫)とは?
指の疥癬の写真です。発疹は続いています(写真提供:九段坂病院 皮膚科 大滝 倫子 先生) |
症状は?
疥癬トンネルができています。ダニが作ったトンネルです(赤穂市民病院 皮膚科 和田 康夫 先生) |
- 小さい赤い丘疹(ブツブツ)→ヒゼンダニの抜け殻,糞などに対するアレルギー
- 盛り上がった線状の皮疹→メスのヒゼンダニが卵を産んでいる場所
- 結節(しこり)→ヒゼンダニが死滅し、その跡
次のページでは、疥癬の治療法と対策を説明します。