今まで、アトピー性皮膚炎には「ステロイド外用剤」がおもに長い間処方されていました。これはいわゆる塗り薬ですが、2年程前に「プロトピック軟膏」というものが開発され販売されるようになりました。

◆ ステロイド ◆

「ステロイド外用剤」は皮膚表面がきれいになり一時的には良くなったかのようにみえます。その「ステロイド」はもともと人間の中に存在しているものなのですが、「副腎皮質ホルモン」というものがこれにあたります。この「ステロイド」を長期間、摂取、あるいは外用し続けるとホルモンを体の中でつくれなくなってしまうのです。こういったことを最近ようやく問題視するドクターも現れ、社会的な問題となってきました。

ドクターが「ステロイド外用剤」をよく知らないケースもあります。最初の診察において「弱いステロイド外用剤」を出して、リパウンド(外用剤の使用をやめると急激に症状が悪くなること)を繰り返して徐々に「強いステロイド外用剤」を処方していくドクターがいます。そのリパウンドを繰り返していくと他に炎症していない部分までにアトピー性皮膚炎が広がっていくとされています。副作用としては、皮膚の萎縮、毛細血管の拡張などが認められています。そしてリパウンドは皮膚表面がただれてじゅくじゅくになるケースがあるともされています。ステロイドを長期間にわたり使用していると、皮膚表面がきれいになるまでには、徐々にくすりに対する依存度が強くなります。ステロイドの全部を否定することはできませんが、長期的に使用することは体全体によくないことは確かです。
→関連サイト:ステロイド外用剤について(2)(アトピーステロイド情報センター)
ステロイド外用剤の主な副作用(まつばら皮膚科)
リパウンド症状(ATOPIC INFORMATION)


◆ プロトピック ◆

今から数年前に「プロトピック軟膏」という新薬が、成人向けのアトピー性皮膚炎の治療薬として日本で発売されました。「ステロイド」にくらべて肌に吸収されて身体の中に入って服用しているのと変わらない副作用は認められず、依存性やリパウンドがないものの、顔に使用した約7割の患者に刺激感があることがわかっています。まだ乳幼児から小児までの15歳以下に対するデーターが不十分なので使用は認められていません。ですので、アトピー患者全体として、数年をかけてのデーター収集の結果を見てみないと、このくすりの安全性はわかりません。まだまだこれからのくすりといえます。
→関連サイト:プロトピック軟膏の臨床報告 その2(アトピーネットワークリボーン)

今現在新薬は、ひとつの副作用がなくなれば、新たな問題が発生し、「いたちごっこ」のような状態となっているのが現状です。ただし、リパウンド、依存性が無いことから見ると、この「プロトピック軟膏」は改良が期待されるところです。


★文中でご紹介したリンク
ステロイド外用剤、プロトピック(たらお皮膚科)
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