マクドナルドが誤解を招く宣伝をしたために太ってしまったと十代の少年2人が損害賠償を求めた訴訟で、ニューヨーク連邦地裁は9月4日に原告の訴えを却下しました。
当Close Up!の『マックフランケンシュタイン』で注目していたマック肥満訴訟は、2度目も裁判所の門前払いでした。
原告側弁護士が主張していた『知らされていない原料や加工法』が健康被害をおよぼすという論点は立証できないという判断です。
今回の対象はマックのフレンチフライ、チキンナゲット、フィレ・オ・フィッシュサンドイッチなどです。
連邦地裁のロバート スイート判事は、今後さらに修正を加えて提訴し直すことも認めませんでした。
1月の裁判でスイート判事は、『もし、人がマクドナルドのスーパーサイズ商品をたくさん食べることが、健康的でなく、太ってしまうかも知れないことを知っていたら、あるいは知っているべきであるとすれば、その過食から守ってやるのは"法律"ではない』と述べていました。
マクドナルド本社(イリノイ州)の広報担当リサ ハウォードは『常識が勝つと信じていたし、そのとおりになった』とコメントし、さらに『マクドナルドの商品はその豊富なメニューの選び方次第で、ヘルシーなバランスのとれた食事になる』と元気一杯です。
原告側の母親のひとりは『弁護士に聞いてください』と語り、その弁護士は『ノーコメント』と意気消沈。
当ガイドは今回の裁判記録を読んでいて、むしろ問題の根の深さに興味を覚えました。
なんと毎日2,000万人のアメリカ人がマクドナルドで食事をしているのです。これは高齢者や幼児を除くアメリカ国民の10%にも相当する客数です。
そのお客さんの72%が週1回は立ち寄る"ヘビーユーザー"です。これで驚いてはいけません。上には上がいるものです。さらに、客の約22%がSHUと呼ばれるグループでした。SHUとは"スーパー・ヘビー・ユーザー"のことです。少なくとも月に10回はマックで食事をする人たちです。
ファストフードは時代の要請ですから、スピードもプライスも禁煙席もetcすばらしいものがたくさんあります。でも、うっかりすると1回の食事で1,000kcal以上のもの(1日分のエネルギーです)を食べてしまいます。
そして企業はヘビーユーザーやSHUを増やすべく宣伝や商品開発に力を注いでいるのです。肥満や糖尿病のある人は自分で見抜く力が必要ですね。
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