糖尿病/糖尿病の食事療法の基礎知識

『食品交換表』第6版について

『食品交換表』が改訂されました。1単位のごはんが55gから50gに減らされました。1型の人は急に変更しないように。炭水化物の量を計算することです。

執筆者:河合 勝幸

科学技術庁による『日本食品標準成分表』が2000年11月に改訂されました。いわゆる『五訂食品成分表』です。それに伴って『糖尿病食事療法のための食品交換表』も改訂が必要になり、このたびの第6版の発行となりました。
食品の種類も実に多くなり、輸入品も急増しているので成分表も時代と共に改めなくてはなりません。また、測定技術も進歩しておりコレステロールなどもかなり正確に測れるようになってきました。

今回大きく変ったものには『ごはん』があります。従来は1単位(80キロカロリー)が55グラムだったのですが50グラムに減量です。しかし、これは困ったことです。1型の人が1日10単位のごはんを食べていたとすれば、10パーセント減ですから実質的に50グラム減となります。50グラムのごはんには18グラムの炭水化物が含まれていますから、インスリン1単位あるいは2単位の相違となります。

糖尿病食事療法なのですから、このあたりの検証が十分に行われたかどうか大いに疑問が残ります。カロリーばかり重視するからインスリン/炭水化物レシオという、1型糖尿病者にとって一番大切な数値を揺るがせてしまうのです。
今までヘモグロビンA1cの目標をクリアできてた人は無理して第6版に合わせる必要はありませんよ。うまくいっている時は何もいじらないこと。これが治療の鉄則です。

くだものや牛乳などを『間食』という考え方をはずして、指導の範囲として朝から夕食まで好きに選んでいいことになりました。
これもまた、新たな課題を残しました。1型と2型とでは食事計画が根本的に違うのです。日本の医師や栄養士は『牛乳は炭水化物』のグループに入れるものであるという認識を持っているでしょうか?少なくとも糖尿病者にとって『牛乳』は炭水化物と考えるべきなのです。グローバルスタンダードではそうなのです。
1型の人はこれも慎重に対処してください。
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