最今このような質問が多く寄せられます。私(糖尿病ガイド)は、血糖コントロールの『意欲』を高めるためならご愛用ください。『治療』のつもりならおよしなさいと答えます。
健康茶に限らず、食品の機能性表示競争は過熱気味です。たとえばサラダオイルに植物ステロールやスタノールを少量添加して、まるで高脂血症の予防や治療になるような表示がされます。それに厚生労働省が『特定保健用食品』マークを許可するので、まるで『お上』のお墨付きの騒ぎです。
コレステロールに類似している植物ステロールやスタノールは、体のコレステロール・リサイクルを妨げるので結果としてコレステロール値を下げてくれます。しかし、コレステロールが正常な人にとって高脂血症の予防になるわけではありません。なぜなら、植物ステロールやスタノールは高脂血症の原因になる体の問題点には何ひとつ影響しないのですから。
同じように食糧難の時代には、栄養吸収を妨げるとして大いに嫌われたタンニンなどのポリフェノールが、飽食の時代には消化吸収を妨げるとして持てはやされます。グァバ茶、バナバ茶の類もその現象のひとつです。
ある人が人間ドックで糖代謝異常を指摘されたとします。家族全員が心配するので、血糖値を下げる健康茶があれば喜んで購入してきます。ほほえましい家族の一シーンです。
でも本当はそんなことで『お茶』を濁さないで、定期的に専門医のチェックを受けるのが『正道』なのです。ひと口に高血糖と言っても、起床時血糖の高い人、食前血糖が高い人、食後2時間血糖が高い人など、個人差があるものです。それに合った正しい治療を、正しいタイミングで受けるのが『最高の治療』なのです。グァバはれっきとした漢方薬です。薬である以上は肝臓や腎臓への副作用の恐れは常にあります。だから中国医学の専門医は1日9gの処方をしますが、ペットボトルのお茶では限度なしです。怖い話ですね。