糖尿病/糖尿病の経口薬・インスリン

アスピリンと糖尿病(2ページ目)

高脂血症や糖尿病、高血圧などの複数の危険因子を持つ患者に対してアスピリンの投与を考慮する…2002年4月の日本循環器学会の教育集会のメッセージです。

執筆者:河合 勝幸

解熱消炎として用いられるアスピリンは1日あたり1,500mgのアセチルサリチル酸が処方されますが、血栓予防の抗血小板剤として使われるのは1/20くらいです。
アメリカ糖尿病協会(ADA)のガイドラインは1日あたり75mg~325mgのアセチルサリチル酸となっています。
日本で発売されているバイエルアスピリンは1錠あたり500mgで、小児用バファリンには300mgというものがあります。注意しなくてはいけないのが『バファリンL』で、これにはアスピリンではなく別の薬が入っているので抗血小板剤の効果はありません。

アスピリンにはアレルギーや消化管の出血、出血しやすくなる傾向があるので、予防薬として飲む時も医師に相談することが必要です。また、20歳以下の人のアスピリンの常用はライ症候群という重い脳障害がまれに起ることがあるので危険です。

血液がドロドロになって固まりやすくなるのは1型糖尿病より2型糖尿病(生活習慣病)に多くみられ、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
もし、糖尿病のある38人に1年間毎日少量のアスピリンを飲んでもらうと、年間あたり少なくとも1人の脳梗塞あるいは心臓発作を防ぐ効果があるそうです。
副作用の方は、もし248人が1年間アスピリンを飲むと1件の胃腸からの出血が起こる確率です。
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