糖尿病/糖尿病対策の生活・運動療法

心拍数を見ながらエクササイズを

糖尿病者の死因を調べると、アメリカでは50%と圧倒的に心臓血管系の病気が1位ですが、日本では『脳血管障害』がトップで、『がん』、『糖尿病性腎症』と続きます。自分で選べるのなら私は『心臓』です。

執筆者:河合 勝幸

糖尿病者の死因を調べると、アメリカでは50%と圧倒的に心臓血管系の病気が1位ですが、日本では『脳血管障害』がトップで、『がん』、『糖尿病性腎症』と続きます。自分で選べるのなら私は『心臓』です。

どうして『心臓』かと言いますと、心疾患は脳のような後遺症がないからです。心臓の1/4がアウトになっても日常生活はまず問題ありません。
心臓の1回目の発作は苦しいそうですが、2回目は経験があるので意外と手当てが早くできます。そして3回目の発作でジ・エンドとなる人が多いとされます。
こんな話を『故』山本直純さんとしていたら、山本さんは「スリーアウトでチェンジですね」と言っていました。直純先生にも糖尿病があったのです。

心臓病願望とは裏腹に、私の心臓はとても好調です。心拍数をモニターしながらステーション・バイクで毎日トレーニングしているからです。
エクササイズを始める時は医師のアドバイスをもらいましょう。糖尿病は血管の病気ですから気配りが必要ですね。
数年前、ステーションバイクを購入した時に、心拍モニターに不整脈のサインが度々でたのにはショックでした。知らないうちに運動不足だったようです。
不整脈を注意しながらトレーニングを続けていたら、すっかり正常に戻りました。

エクササイズの心拍数は、安静時の心拍数、最大心拍数、目標心拍数の3指標が大切です。『安静時』というのは朝起きた時や、本当にのんびりとリラックスしている時の心拍数です。年齢や体のコンディション、薬の影響を受けますが、一般論として低いほうがいいようです。
『最大心拍数』は220マイナスあなたの年齢で算出できます。エクササイズでこれ以上オーバーしては危険な心拍数ですが、素人ではここまで上げることはまず不可能です。
もし、あなたが50歳だとすれば 220-50=170、1分間170の心拍数が上限値です。

エクササイズの『目標心拍数』はこの最大心拍数の60%~80%です。糖尿病の状態、心臓病の遺伝の有無、糖尿病の病歴(年数)などで慎重に設定すべきですから、ぜひ医療チームに相談してください。
神経障害やベータブロッカーのような血圧降下剤の影響を受けるのでご注意を。

心拍モニターをつけるのが望ましいのですが、『話しかたテスト』でチェックできます。
隣の人と数語の話ができて、少し息が切れる程度ならちょうどいい状態で、満足に話ができなければ負荷のかけすぎです。おしゃべりが続けられるのなら軽すぎます。

エクササイズを始める前に、特に35歳以上の人、心臓病のある人、高血圧の人、高脂血症の人、スモーカー、遺伝的に心臓病のある人は医療チームに相談しましょう。

運動中あるいは運動後になにか違和感を感じたら必ず報告をすること。

経口剤やインスリンの人は低血糖への心配を。1型の人は血糖値250mg/dl以上の時はケトン尿の検査をすること。ケトン状態の時はエクササイズは禁止です。

ウォームアップ、クールダウンを忘れずに。寒すぎる時、暑すぎる時の戸外は危険です。
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