糖尿病シニアの心得
加齢による注意もあります。以下の項目をしっかりチェックして、うまく糖尿病と共生していきましょう。■その山盛りの薬、大丈夫?
80歳にもなればあっちこっち具合が悪くなるので、糖尿病薬以外にもいろいろな薬を飲むことになります。中には血糖値に影響する薬がありますから、薬を処方されたら医師や薬剤師に確認することが大事ですね。
また、腎臓の機能が低下してくるので薬が長時間体に残るようになります。インスリンだって少ないユニットで間に合うようになります。腎臓機能の検査を定期的にしてもらいましょう。気が回らない医師には遠慮なく頼むこと。
独り住いで食欲がなくなってしまうのも心配です。糖尿病の薬は食事と切り離せないものですから、栄養士や医師と毎日の生活パターンについて相談するように。薬の飲み忘れも増えてきますので、どんな薬をどのように使っているかをどこかに表示しておくといいですね。冷蔵庫の扉に張っておくとか、財布の中にリストを入れておくのも名案です。介護ヘルパーや救急隊員がすぐ分かるように……。
■低血糖になりやすいのでご注意を
加齢と共に低血糖の症状が強くなります。脳卒中の既往症がなくても、脳の血管は万全ではありませんから意識を失いやすくなり、低血糖の回復も遅くなります。医師は血糖コントロールの目標を緩めてくれますからそれを守りましょう。
骨粗しょう症があれば、低血糖の意識障害は転倒・骨折に結びつきます。骨折から要介護へは一本道。糖尿病歴が長くなると、自覚できない低血糖を起こしやすくなるので気をつけるように。気づいた時には手遅れなんです。
■他の病気との折り合いを
長生きのためにも、できるだけベストな血糖コントロールを狙いたいものです。ADA(アメリカ糖尿病協会)のアドバイスは、高齢者の空腹時血糖値を100-120mg/dl、食後血糖値は180mg/dl以下にしようというものです。達成できたらすごいですね。ただし、一人ひとりは他の病気との折り合いがありますから、担当医とよく相談しなければなりません。
血糖が下がったかな?と思ったら直ぐ血糖チェックをする、そして低血糖用の砂糖などは手離さないようにしましょう。
■トリッキーな高血糖のチェックを
高齢者の高血糖はトリッキーですよ。普通は高血糖時のサインは頻繁にトイレでの排尿になりますが、男性では前立腺肥大を疑うことが多く、あるいは年相応の失禁と思われてしまいます。介護ホームなどでは高血糖による頻尿なんて考えてくれないので危険です。喉が妙に渇いたら高血糖を疑ってください。周りの人にも知っていてもらいたいものです。
■手足の障害に備えて
リューマチなどで指が不自由になるとインスリン注射が難しくなります。「イノレット」のような大きなダイヤル、注射時の支点があるものがいいですね。
関節炎や脳卒中で行動が限定されると足のチェックが出来なくなります。家族や仲間の助けをもらいましょう。血糖コントロールのためには障害があってもエクササイズをしたいものです。積極的に医療担当者のアドバイスをもらいましょう。
いかがですか? 上記のものは糖尿病でなくても当てはまります。加齢はトラブルがいっぱいですね。糖尿病があると残念ながらトラブルにおまけが付きます。50代から心と体の準備をしておくこと。自分がどんな薬をどのように使っているか、ご家族はご存知ですか? まだでしたら……答えはお分かりですね!
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