少なくとも、いま食べているものを、量だけ減らして『やせよう』としても、ほぼ全員が失敗してしまうのは疫学的に証明されています。机上の計算はダメ、もっと簡単な方法でなくては!なにかをドラマチックに変えなくてはなりません。
不自然だが……アメリカで大流行のローカーブ(低炭水化物)ダイエット
そこで、ちょっと不自然ですがパンやご飯、フルーツなどの炭水化物を徹底的に排除して、からだを糖尿病のような激ヤセ状態(ケトン体生成)にしようというダイエットがあります。『低インスリンダイエット』とか『ローカーブ(低炭水化物)ダイエット』と呼ばれますが、決して新しい考え方ではなく、かなり昔からある『ケトン・ダイエット』のことです。いま、アメリカで大流行している『サウスビーチダイエット』や『アトキンス・ダイエット』が代表的なケトンダイエットすなわち『ローカーブ・ダイエット』です。これらのダイエット本が3千万部も売れて、『ビール』だけでなく全ての食品がローカーブ(低炭水化物)を売り物にする騒ぎです。
『パンなしハンバーガー』や『生地なしピザ』も登場し、ローカーブを売り物にする『赤ワイン』までがマスコミの注目を集めています。
ローカーブ(低炭水化物)ダイエットに反対運動
アメリカがん研究財団や老人医学、肥満などの研究団体や消費者団体など11の組織が集って『パートナーシップ・フォー・エセンシャル・ニュートリション』というローカーブ・ダイエットに反対する組織を立ち上げました。糖尿病陣営からはアメリカ糖尿病療養指導士協会(AADE)が参加してます。ヘルスメーターや体脂肪測定器でおなじみのタニタ(日本)も参加していて、変ったところではフロリダ州政府のシトラス(柑橘類)局も入っています。
フルーツを制限するローカーブダイエットの大流行で、朝食用のフルーツジュース売上が激減したからです。この組織をリードしているのはシェイプ・アップ・アメリカ!というグループで、元・医療長官のC.エベレット・クープ氏が主宰する団体です。
健康面、医療面からの告発に徹しきれない反対組織…
この反対組織は健康面からの異論だけでなく、かなりビジネス的な争いでもあるようです。スポンサーのひとつになったのは、アトキンス・ダイエットのライバルでもある『ウエイト・ウォッチャー』というダイエット会社です。設立発表の記者会見でも『科学的根拠のない説を売りものにして、一部の企業だけが大もうけしている』という発言がありました。
本当にローカーブ・ダイエットの健康面、医療面からの告発に徹し切れないのが今イチのところです。
*低インスリンダイエット 関連記事*