糖尿病の合併症とは
男性より女性の方が、そして女性でも糖尿病のある人のほうが尿路感染症にかかりやすいのです
そしてまた糖尿病になると高血圧や脂肪異常にもなりやすくなるので全身の血管がダメージを受けます。血流障害、皮膚感染症、尿路感染症、カンジダ症などの、さまざまな全身の障害リスクが2~4倍も高くなります。なかでも、今回は糖尿病のある女性がかかりやすい「尿路感染症」についてお話します。
女性の糖尿病患者は尿路感染症にかかりやすい?
男性より女性のほうが、そして女性でも糖尿病のある人のほうが尿路感染症にかかりやすいのです。アメリカの女性は予防や治療のためにクランベリーのジュースやカプセルを使いますが、さて、その効果の程は?女性のほうが尿路感染を起こしやすいのは、尿道が約3.7cmと短くて、しかもストレートなのでバクテリアが進入しやすいからです。とかく単純と見なされがちな男性は、尿道だけは複雑で長さは約20cmもあって、エレクトしてない時は2ヵ所で折れ曲がっていますから防御力はかなりのものです。
また、尿路感染症を引き起こすのは、多くの場合はありふれた大腸菌です。この大腸菌(E.coli)は糖分が大好物なのです。尿糖が出るような高血糖状態は、膀胱に甘い尿がたまっていますから大腸菌が繁殖しやすく、同時に炎症を起こすことにもなります。
高血糖状態は白血球がバクテリアと戦う力もダウンさせます。血糖が高ければ高い程、白血球の働きが弱まります。
さらに悪いことは、糖尿病による神経障害で膀胱が満杯になっているのに気付かない、あるいは完全に最後まで排尿することが出来なくなって、いつも尿がたまっているようになると、ますます危険です。
尿路感染症は無症状のこともあります
糖尿病のある女性の4人に1人は、なんの症状もなく尿中に細菌が存在するのだそうです。これは健常者の4倍にもなります。尿路感染は腎炎にもなり得ますから、発見が遅れたり、適切な治療を完了してないと大変なことになりますね。症状としては痛み、排尿時の焼けるような感覚、頻尿などですが、糖尿病のある女性や尿道に欠陥がある女性、免疫抑制剤を服用している女性(ガン治療中)ではいつもこういう症状が出るとは限りません。
また、たびたび尿路感染や膀胱炎を繰り返したり、腎炎を過去に経験したことのある女性も自覚症状が出にくくなるようです。感染症は早期発見して治療を完遂することが必要です。症状が無くなると薬を自分の判断で止める人がいますが、これは絶対に禁物!
高血糖以外のリスク因子
1. 年齢尿路感染は閉経後の女性に多くみられます。エストロゲン・ホルモルの低下と共にバクテリアに感染しやすくなります。炎症があれば尿路感染の危険もあることを忘れないように。
2. 活発なセックス
セックスはバクテリアを尿道に押し込むことになるかも知れません。洗浄はバクテリアから体を守る酸性環境を失いますし、避妊ゼリーやスプレーなども尿道を刺激することがあります。
3. 不衛生な状態
トイレで後ろから前へ拭くと大腸菌が尿道へ移る可能性があります。
4. 妊娠
胎児が母体の膀胱を圧迫し、完全に排尿できなくなることがあります。
次に尿路感染の予防心得をまとめましょう。
尿路感染症の症状
一般的な症状としては残尿、たびたびトイレに行きたくなる頻尿、痛み、排尿時の焼けるような感覚、血尿などです。その他の症状としては、強い臭いのある尿、ひきつけ(けいれん)、性交痛、悪寒など。一般的な症状と共に発熱や悪寒があれば腎炎の疑いがあります。直ちに病院へ行きましょう。
女性の中には上記の症状が出ない人達もいます。もし、普段よりなぜか血糖値が高く続くような時は感染症を疑ってみましょう。また、尿がにごっている、いやな臭いがするような時も炎症が起きていることがあります。
大切な膀胱を健康的に保つために
- トイレの後は、前から後ろに拭く習慣を守る
- トイレを我慢しないこと。尿意がなくても数時間ごとにトイレに。溜めておくことは炎症のリスクを高めます
- セックスの前後にはトイレをすませておく
- ペッサリーを装着していたら、ちゃんとフィットしていることを再チェックする
- アメリカ、カナダの女性は尿路感染症の予防と治療にクランベリーのサプリやジュースを愛用してます。クランベリーにはバクテリアが膀胱の表面に定着して繁殖することを抑える成分があるとされています。バクテリアをどんどん排泄しやすくしてくれるのです。
いかがですか? この記事は治療の記事ではありません。詳しい注意事項は医師にお尋ねください。ただ泌尿器科の医師にはクランベリージュースの評価が高いですね。尿の酸性化作用やプロアントシアニンの抗酸化作用が特に優れているからです。また、菌が尿路に付着、定着して薬や体の感染防御系を効かなくする尿路バイオフィルム感染にもクランベリーの効果が認められています。
糖尿病のない女性にはこの程度のクランベリージュースは問題ありませんが、糖尿病のある女性はジュースの成分をよく読んで糖分を計算してください。
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