素足でサボテンの上を歩けますか? 耐えられない足の苦痛とはこういうものです。 ぜひ、ベストコントロールを! |
ところで、どの位の身長からリスキーになるのでしょうか? たったの175.5cmですって!
[American Journal of Epidemilogy 2006 164(9)]
糖尿病で"背の高い人"は特に危険!
背の高さと足の末梢神経障害とはちょっと変わった話題ですが、実はとても理にかなったものです。その説明は後に回しますが、このデータは1999~2002年にわたって実施されたNHANES(米国全国健康・栄養調査)からの分析です。40歳以上の5,229人の足底の感覚をモノフィラメント(細いナイロンの繊維に10gの負荷をかけて足底を押してみて、それが知覚できなければ神経障害)を使って調べました。足底の3ヵ所のうち、1ヵ所でも知覚できないケースを末梢神経障害としました。
神経障害がみられたのは、糖尿病のある人の21.2%、そうでない人は11.5%。糖尿病のある人は、そうでない人に比べて、2倍も多く神経障害を起こしていたのです。
さらに男性(16.2%)は女性(9.4%)の1.7倍です。でもこの相違は身長別に比較してみたら、男女差はそれ程はっきりしたものではなくなりました。つまり糖尿病が有ろうが無かろうが、背の高い人ほど神経障害が多かったのです。この閾値(いきち)が身長175.5cmでした。これより背が高くなると急カーブで神経障害が増えます。
研究者は男性が女性の1.7倍も多いということは、男女間の身長の差が出たものとしています。身長175.5cm以上の女性は少ないからです。そして医療関係者に、背の高い人は神経障害の高リスクグループであることを認識するように求めています。
アメリカでインフルエンザや生活習慣病が話題になると、CDC(米疾病管理センター)の名が必ずメディアに登場します。米国保健省の1機関ですが、そのCDCの中にDiabetes Translationという部門があります。Translationというのは「翻訳」の意味ですが、この部門の仕事は最新の専門的な糖尿病研究の成果を、実地に応用できるように「翻訳」して医療現場に伝えることです。
今回の話題もそこからリリースされました。40歳以上で、糖尿病が有っても無くても、背の高い人は特に足のチェックを忘れないように!とのメッセージです。糖尿病があればなおさらですね。
>>次のページで、なぜ背の高い人が足の神経障害になりやすいのか考えてみましょう。>>