なぜなら、患者の数をこなさなくては商売として成り立たない日本の医師は、何の検査をしているかも言わず、その結果も知らせてくれません。うっかりコメントすると長話になるからでしょうか…。
そこで、本当に知らなければならない点はどこでしょうか?欧米の糖尿病患者の死因ナンバー1は、心筋梗塞や脳卒中のような心・血管系の障害です。ですから、血糖コントロールのA1Cと同じように血圧や血清脂質が気にしたほうがいいと言えるかもしれません。
血清脂質の目標値はどれくらい?
血圧や血清脂質のコントロール指標は、糖尿病専用の目標値があります。このことを知らない内科医はいないはずですが、その重要性を認識している度合いはかなりばらついていると思います。糖尿病者の血清脂質の指標はこうなっています。
もし、最近の血清脂質の数値を知らされてなければ、次回の診察時に尋ねましょう。私たちは知る権利があります。
日本では一般的に総コレステロール220mg/dl未満ならば正常範囲です。しかし、糖尿病者の目標値は200mg/dl未満であることを忘れないように。
コレステロール管理が世界一きびしいアメリカでは、『糖尿病』があることは最大リスクのひとつです。
だから糖尿病者の血清脂質の指導はこのように厳しい数値です。
LDLコレステロール 100mg/dl未満
中性脂肪 150mg/dl未満
HDLコレステロール 40mg/dlを超える(女性は50mg/dlを超えるのが望ましい)
これを満足する総コレステロール値に換算すると、男性で総コレステロール170mg/dlまで。女性では180mg/dlとなるそうです。
私は細小血管系の合併症より、心・脳血管系のほうが心配ですから、内緒でアメリカの指標を目標にしています。
ところで私たちが出来ることは、食品の飽和脂肪酸(コレステロールを増やす)や動物性コレステロールを取りすぎないこと。炭水化物(米、パン等)に片寄らないこと(中性脂肪が増える)。定期なエクササイズをすること(HDLが増える)。
それでも達成できなかったらスタチン等の薬物療法を嫌がらないことです。
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