糖尿病/糖尿病の経口薬・インスリン

インスリン事始め(3) インスリンの種類

体の中のインスリン分泌は正確に制御されています。外部からの注射ではなかなかそうはいきませんので、いろいろなタイプのインスリンを使い分けて、なるべく健常者の血糖パターンに近づけます。

執筆者:河合 勝幸

インスリンの発見
体の中のインスリン分泌は正確に制御されています。外部からの注射ではなかなかそうはいきませんので、いろいろなタイプのインスリンを使い分けて、なるべく健常者の血糖パターンに近づけます。1型糖尿病のようなインスリン療法が絶対に必要な場合は入院が必要ですが、2型糖尿病の経口薬からの切り替えやインスリンの併用は外来で行われます。

いずれの例でも注射の基本的な操作とインスリンの基礎知識、血糖自己測定の実施が大切になります。

インスリンのいろいろ

血液の中には食事と関係なく常に一定量のインスリン濃度が保たれています。これを基礎(ベーサル)インスリン分泌と言います。これをインスリン注射によって模倣するために「中間型」とか「持効型溶解インスリン」というタイプのインスリンを使います。

食事をすると急に血糖が上昇するので追加(ボーラス)インスリンが必要になります。追加インスリン分泌を模倣するために「超速効型」とか「速効型」と言われるタイプのインスリンが使われます。

どのようなインスリンをどの位使用するかは医師の判断によりますが、早朝空腹時血糖は下がっている(つまり、基礎インスリンは分泌されている)が、食後の血糖上昇が高いような人は追加インスリンのみを毎食前3回注射することもあります。

また、早朝空腹時血糖は高いけど(基礎インスリン不足)、食事と運動に努めてヘモグロビンA1C(エー・ワン・シー)が今イチという程度の人には中間型や持効型溶解インスリンの就寝時1回注射の選択もあります。

強化インスリン療法と言って基礎インスリンと毎食事の追加インスリンを組合わせて良好な血糖コントロールをめざす治療法もあります。当ガイド(河合)は2型糖尿病ですが、強化インスリン療法でA1C 5.8%前後をコンスタントに維持しています。

通学している児童や高齢者のように頻度の多いインスリン注射が困難な人、はじめてインスリンを導入するような人には混合型(超速効型または速効型インスリンと中間型インスリンをあらかじめ混合したもの)を朝・夕1~2回注射という選択もあります。

いずれもライフスタイルにあわせた治療法が選べますので、医師に遠慮なく自分の都合を伝えましょう。(つづく)

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