糖尿病/糖尿病の合併症(痛み・冷え・足の異常等)

足のつめの切り方と足のケア(2ページ目)

NHKの"ためしてガッテン"で足のつめは直線に切るのが正しいと言っていましたが、素直にはガッテンできません。あれは特定のつめの対策です。糖尿病の人は何に気をつけるべきでしょうか?

執筆者:河合 勝幸

Ingrowm Nail(巻き爪、刺し爪、陥入爪)

いろいろな理由で足の爪(主に親指)が肉に食い込んだ形になることがあります。痛みがあり、爪の周りがぶよぶよになったり、赤くなったりします。ひどい時は炎症を起こします。こうなると末梢神経障害のある糖尿病者や動脈硬化などで足の血液循環の悪い人は合併症のとても危険な状態になります。

爪は皮膚や髪の毛の仲間ですから遺伝的な要素が多分にあります。家族に巻きつめの人がいればリスクが高くなります。また、指先の余裕の無いきつい靴を履いたり、深づめ(肉のところまでつめを深く切る)をする癖、ジョギングなどでつま先に日常的に負荷をかける、足先の負傷、変わった爪のカーブ、厚いつめ(加齢や水虫などで)のようなことでも肉に食い込むようになることがあります。

この対策として巻き爪の人は、足を一日数回、15分ずつ塩を入れたぬるま湯につけてつめを柔らかくしたり、爪をまっすぐに(straight across)切ったり、深づめをしない、足先のゆとりのある靴を履くようにするのです。爪を横一線に切ることの意味は、爪の角が肉に食い込まないように皮膚の上に出すことです。ですから、平べったい爪で、およそ巻きつめに縁の無い人は親指の指先のカーブに合わせて切った方がむしろ安全だと思うのです。このことはアメリカ糖尿病協会(ADA)の『糖尿病コンプリートガイド、第4版』でも確認しましたから、ご安心を。

糖尿病患者がするべき毎日のケア

毎日の足のケアの心得は次のようなものです。

  • 足はいつも清潔に。毎日、ソフトな洗剤で優しく洗うこと。水分を拭く時は注意深く、特に指の間を何げなく強くこすって傷つけないように。
  • 足と各指の間の検査は毎日行います。はれているところ、冷たいところ、発赤しているところ、切り傷、水疱はありませんか?
  • いつ、いかなる場所でも裸足で歩かないこと。
  • 靴は最初からよくフィットしたものを履くこと。いずれ履き慣れるなどと思わないように。
  • 神経障害のある人が新しい靴を選ぶ時は自分の感覚を信じないで、シューフィッターの意見をもらうように。
  • つめは指のカーブに沿ってカットする(ん?)


ところで、足を守る第一歩は『禁煙』でしたね?

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