「ぎっくり背中」とは? ぎっくり腰のように急な背中の痛み
ぎっくり腰と同じような痛みが背中で起きることがあります
<目次>
ぎっくり腰と同じように頻度の多い「ぎっくり背中」
正式名称でも医学的な用語でも無いぎっくり背中ですが、その頻度は少なくはありません。腰の上部を指して「背中が痛い」と表現する方もいらっしゃいますが、腰痛を腰椎のあるレベルまでとすると、このぎっくり背中と表現される範囲はとても広いです。おおまかにですが、肋骨(あばら骨)のある範囲の背部が、この範囲となります。ですから痛みのある部分が、背中の中央レベルであったり、肩甲骨のレベルであったりするわけです。急な痛みを肩甲骨内側や、背骨付近、肋骨付近に生じ、体や腕を動かすたびに痛みを感じ、動作が制限されたり、咳払いも恐々……となるかもしれません。
急な背中の痛み!ぎっくり背中の原因は?
背中に疲労が蓄積されていると、伸びをした拍子にぎっくり背中に見舞われることも!
1本の背骨を首の部分(頚椎)、背中の部分(胸椎)、腰の部分(腰椎)と分けてみると、背中の部分の構造は、首や腰とはだいぶ異なるものになります。
背中の部分は内臓が収まるかのような後方への生理的なカーブがあり(首、腰のカーブは前方へのカーブ)、また肋骨があることでの安定性もあります。
その一方で、背中にある複数の筋肉や関節の機能は、肩こりや腰痛に伴う筋肉のアンバランスや姿勢の変化による影響を受けやすい面もあります。肋骨と背骨との連結部分にも負担がかかることがあり、そうなると呼吸をするだけでズキっと痛みが走ることがあります。ぎっくり背中と呼ばれる状態になると、筋肉の過度な緊張や筋繊維の微細断裂の可能性が懸念されます。
背中が痛くなるのはどんな時?「ぎっくり背中」が起きやすい瞬間
ぎっくり背中になると、ちょっとした咳やくしゃみで痛みが走るかもしれません
ぎっくり背中というネーミングから、ぎっくり腰のように、ふとした拍子に突然襲う痛みであることが想像できると思います。(朝目覚めたら、痛くなっているなどきっかけの動作が無いケースもあります)
肩こり・腰痛で頚部・腰部を支える筋肉のアンバランスや機能低下、そして疲労の蓄積に起因する場合があります。そういった不調を自覚していても「普段、こりは感じない。」と自覚が無い人でも、背中に激痛が走ることがあります。
■ぎっくり背中が起こりやすい危険な動作・瞬間
- 棚の上にある荷物を取ろうと、腕を伸ばした瞬間
- 久しぶりのテニスやゴルフなど、腕を使い体を捻る動作のスポーツを行う時
- 深呼吸をした瞬間
- デスクワーク中に床に物を落とし、座ったままそれを拾おうとした時
- 服の袖に腕を通そうとした時
- くしゃみ、咳の瞬間
よくある質問
Q. ぎっくり背中をツボで治すことはできますか?
A. 痛みなどの症状緩和に効果的なツボ(経穴)もありますが、正しい位置であることが重要です。鍼灸院で相談しましょう。
Q. ぎっくり背中の放置は危険ですか?自然に治りますか?
A. 筋・筋膜性のものであれば、自然に軽快していくケースも多いです。しかし完全に痛みが取れず症状が長引いて改善が見られない場合や、痛みが悪化している場合は、医療機関を受診しましょう。
Q. ぎっくり背中が重症になり歩けなくなることはありますか?
A. 痛めた部位により、歩行での姿勢、それに伴う動作で強い痛みを感じる場合があります。ぎっくり背中の悪化により二次的な影響が、腰部や下肢に及び歩行がつらくなる可能性は考えられます。
Q. ぎっくり背中にコルセットは効果的でしょうか?
A. 腰部~背中用の姿勢サポートコルセットがありますが、装着時に痛みが軽減できるかは体の状態によるため、すべてのケースで効果的とは言い切れません。また、コルセットでぎっくり背中が治るわけではありません。コルセット装着時は姿勢がサポートされるため、楽に感じることはできるかもしれません。
Q. ぎっくり背中のセルフケア方法を教えてください。
A. 痛めて間もない時は、楽な姿勢をとり患部を冷やしましょう。2~3日経過して痛みが軽減してきた頃から、日常動作や軽い運動を始めてみましょう。
Q. ぎっくり背中で歩けない場合、整形外科を受診すべきでしょうか?
A. 何か別の疾患が関与している可能性がありますので、早めに受診をしましょう。
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