怪我・外傷/捻挫・肉離れ・突き指

突き指の対処法、整形外科でX線を!(2ページ目)

突き指は、誰でも一度くらいは経験するだろう指の外傷の一つです。しかし適切な対処法を取らなければ、指に機能障害が残る事があります。長期間放置しないで、整形外科でX線写真を取りましょう!

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

受診するのは整形外科!

突き指後はできるだけ早く骨のX線写真の判読による骨の損傷の有無を確認しましょう。骨折があるのに放置しておくと、好ましくない位置で骨の修復が始まることがあります。最悪な場合は骨の修復による後遺症が起きてしまいます。

X線による検査は整骨院、接骨院では受けることができません。突き指後に受診すべきなのは、整骨院、接骨院ではなく、骨・腱・靭帯・関節などの運動器を専門として診察する整形外科です。

整形外科で、保存的治療で治るか、手術が必要かどうかを判断してもらいましょう。腱・靭帯損傷と骨折がない場合は、指を引っ張る動作を含む徒手整復を実施する事もありますが、これも必ず行うわけではありません。


もしも突き指で手術が必要になったら…

腱の損傷
腱の切れ方はいろいろです。
突き指後の手術は色々あります。腱・靭帯が完全に切れていた場合は、それらを縫い合わせる手術が必要となります。骨が一部かけている場合は、骨のかけらの除去が必要となります。どのような手術をするのか説明を十分に受けましょう。

もしも、脱臼骨折の場合はちょっと大変です。関節部分の骨が折れていて、かつ脱臼が起きたのが脱臼骨折です。例えば、靭帯そのものには損傷がなくても、指関節の靭帯が付着している部分の骨に骨折が起きた場合、結果的に関節が壊れて脱臼が起きます。関節を治すためには。元の位置で欠けた骨を骨に結びつける手術も必要となります。糸では強度が足りない場合は金属製の針金を使用する事もあります。


手術後にはリハビリテーションが必要!

突き指の手術後はリハビリテーションが必要となります。固定したままだと関節が固くなってしまうからです。1ヶ月固定した場合、手術後に固定期間の約3倍 、3ヶ月程度のリハビリテーションが必要となります。

手術が必要になった場合、指の機能はリハビリテーションしても100%戻るとは言い切れません。通常、指を曲げる屈曲角度は、ほぼ戻りますが、指を伸ばす伸展角度は完全には治らないと考えて下さい。ただし指は通常曲げて使うので機能的には伸びなくても日常生活では問題はありません。

これからの運動会シーズンなどで頻発する「突き指」ですが、皆さんも軽く考えず、もしもの時はしっかりとした治療をしてくださいね。


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