タイミング療法を指導しつつ、通水を行うと妊娠するケースが非常に多いです。通水検査によって卵管をゆりうごかすことは卵管に原因があるケースの治療において効果的と考えております。
通水検査を痛がる患者さんがおられますが、それは何か異常があるということです。卵管に炎症や癒着があると考えられるわけです。通水検査をするとその異常もわかるし、場合によってはその癒着がポンと取れたりすることがあります。それがいい影響を与えていると思います。
タイミング療法を指導することは基礎体温をつけることによって自分の体とホルモンのバランスを知って頂き、排卵と妊娠のメカニズムを理解した上で性交渉をして頂くことが目的です。
★用語解説
通水検査
繊維素溶解剤を含む生理食塩水20mlを外子宮腔より注入、卵管に通過性があれば生理食塩水は抵抗なく注入できる。閉塞がある場合は数ml以下の注入でも抵抗が強い。卵管性不妊の検査・治療法として行われる。
★ タイミング療法における基礎体温の重要性についてもう少し詳しくお聞かせ願えますか?
不妊治療において自分の体を知るということは正確にいうと「体の変化と体温の関係を知る」ということです。基礎体温のチェックはその答え合わせです。つまり排卵が近づいた事を示す体の変化を把握する事によりおのずとタイミングもしっかりととれてきます。そして基礎体温から得られる情報はホルモンバランスを示してくれます。
★ 先生のところでの不妊の原因について教えてください。
当院では排卵障害が一番多いですね。PCO(註)やHMG(註)の反応の悪い方、卵子がとれない方が多いです。また同時に男性不妊も増えてきております。特にED(註)は増えていますね。
EDの場合、マスターベーションは出来るけれども、妻とセックスが出来ないEDが特徴的です。その背景には「不妊治療のために頑張らなければならない」という精神的苦痛があるように思われます。そして精子も年々、減少してきている印象があります。
★用語解説
PCO:多嚢胞性卵巣(小さな卵胞が沢山できている状態、排卵誘発による副作用が起こりやすい)
HMG:排卵誘発剤(注射)ヒュメゴン・フェルチノームPなど
ED :勃起障害(不全)
★ 貴院のメンタルサポートについて教えてください。
私自身は初診に時間をかけて、再診からは顔色を見ながら必要に応じてカウンセリングをしています。患者さんの数が多くなると1人にかけられる時間が少なくなってしまう分、看護師や受付スタッフがフォローをしてくれます。当院のスタッフはみんな患者さんの事をよくわかっていますし、名前を聞くと顔が浮かぶぐらいまでコミュニケーションを取ります。
看護師には不妊カウンセラーの有資格者がおりますし、体外受精の時にカウンセリングを担当するエンブリオロジスト(胚培養士)も有資格者です。
それからメンタルサポートのための患者会も企画しています。スタッフと患者さんが企画してドクターはあくまでもオブザーバーのみというスタイルです。ドクターが積極的に関わると言いたいこともいえないし、単なる勉強会になるからです。
患者交流が非常に大事で同じような境遇の人がいる、戦友がいると言う感覚がメンタル的にいい影響があると考えています。
パート2では田村先生の治療へのこだわりと高妊娠率の秘訣にせまります。
お楽しみに~♪
あなたの一票にもご参加いただけるとうれしいです!!
※みなさまからの“ひと言メッセージ”お待ちしています。「おもしろい」「まだまだ物足りない」「まったく意味がない」等、思ったことをひと言だけでも頂ければ幸いです!遠慮なくどうぞ。
sterility@im.allabout.co.jp