3) AIHの意味
AIHは性交渉で精子が目的の場所まで到達しない人のための治療法であり、それ以外の人に活用しても意味がないと考えています。又、精子の状態の悪い人は、目的の場所に到達しても受精・胚成長などに問題があると考えられるので、この場合のAIHも無駄だと思います。
また、HMG-HCG療法と一緒にAIHを行う場合が多いので、それが悪影響を及ぼしていることが多く見られます。それはHMGによる無用な卵巣刺激とAIH当日のHGCG投与が多いことにより、卵子の成長と排卵のバランスが崩れることになります。
フーナーテスト良好、精子も良好でも一年以上妊娠できないという人にとってAIHはわき道の治療といえるかと思います。
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4) HCGについて
妊娠時に子宮内に形成される「胎盤」から抽出された性腺刺激ホルモンが「HCG」です。HCGには卵胞を破裂される作用と黄体を形成する作用があり、LHと同じような働きをします。
よって、不妊治療においては排卵を促すLHの代用品として使われます。卵胞が20mm程度まで育ってくるとHCGを投与して、40時間後に排卵することがわかっています。
しかし、このHCGはLHと大きく違うのは血中半減期で、長時間にわたって体内に残るために卵巣に様々な影響を与えることがわかっています。これがHMG-HCG療法の問題点、今までの体外受精法にも影響を与えています。
5)HMGについて
閉経後の女性の尿から作られる性腺刺激ホルモンをHMGといいます。HMGの大部分は蛋白質で、ゴナドトロピン(FSHとLH)の割合は全体の4%以下になります。
このFSHの作用により、卵巣内の卵胞を大きくする作用があります。通常では一回の排卵周期において1個の卵胞しか成長しないのですが、このHMGを使うことにより、複数の卵胞を同時に育てることになり、それが多胎妊娠や卵の質の低下に結びついています。
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またHMGの原材料調達は現在、中国であることからその質の問題や薬剤の力価の問題のバラツキの問題も指摘されています。そして、HMGもHCGの注射はとても「痛い」というのも問題になっています。痛さは治療のストレスに結びつきますので。
よって、HMG-HCG療法は長い間、不妊治療のスタンダードとして活用されてきましたが、様々な問題点を抱えていることがわかってきました。我々はこの部分をどのように解消していくのかを考え、今の治療法を確立していったということです。
この続きは新橋 夢クリニック訪問記パート2にて。
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