(治療法)

じゃあ日本における子宮内膜症の治療についてはどうなっているのでしょうか?大きく分けると3つの治療法があります。まず手術療法、そして薬物療法と対症療法です。



★手術療法

手術療法の代表的なものは次の通りです。
腹腔鏡下手術
開腹手術
子宮(卵巣)全摘出

これは妊娠を望むかそうでないかで決まる部分が多いようです。内膜症で不妊の患者さんの場合は圧倒的に腹腔鏡下手術が選択されます。しかし、本当にシリアスな内膜症の場合は子宮・卵巣摘出という選択肢もとられることがあるようです。

★薬物療法

薬物療法の考え方はホルモン(エストロゲン)の働きを止める事により、内膜症症状を抑えるという目的をもっています。内膜症で使われる薬は下記の通りです。
GnRHアナログ(リュープリン スプレキュア ナサニール ゾラデックス):視床下部のゴナドトロピン放出ホルモンの働きを抑制します。
ステロイド(ボンゾール):この薬剤も下垂体からのゴナドトロピン分泌を抑制し、子宮内膜症病巣の萎縮壊死をはかろうとするものである。
低容量ピル:身体を擬似妊娠状態にして、エストロゲンの分泌を抑えることにより、予防する。

しかしながら薬物療法は止めるとすぐに内膜症を再発するので続けなければならないということ、それからホルモン剤がメインのために副作用が意外と多いという問題点があります。通常の体のホルモン状態を抑制するわけですから、その影響は否めません。しかし、症状のつらい人には必要な治療の1つであります。

★対症療法

それから痛みやつらさを解消するための対症療法があります。
ペインコントロール(鎮痛剤投与、神経ブロック)
漢方療法
鍼灸治療
その他の薬物療法(抗うつ剤や抗不安剤、鎮痙剤投与)

(子宮内膜症と不妊治療)

子宮内膜症を持っている方の不妊治療においてはやはり腹腔鏡手術が第一選択となります。腹腔鏡手術をして再発するまでの期間を「ゴールデン期間」といって妊娠しやすい時期として認識されているようです。

しかし、不妊治療で使う排卵誘発剤は内膜症に影響を与えてしまうエストロゲンを活性化させるゴナドトロピンですから、使用には注意が必要です。この匙加減についてはドクターの経験と技術によるものが大きいと考えています。

この治療の選択は子宮内膜症の様々なパターンに応じて、ドクターと患者さんが相談をしながら判断する部分になるかと思います。

(まとめ)

子宮内膜症は原因がまだまだわからない部分が多く、現在多くのドクターが日夜研究をしている状況です。昨年1つの説として日本産婦人科学会で「アレルギー反応で発生している可能性が高い」という発表がありました。(関連リンク)

しかし、それもこの疾患のほんの一部の部分に光を当てたというに過ぎないと思います。不妊症にも関連が深いこの疾患、今後も情報が入り次第お知らせしたいと思います。

関連リンク
オールアバウト「女性の健康」子宮内膜症、原因はアレルギー?

日本子宮内膜症協会

オールアバウト女性の健康「子宮筋腫・子宮内膜症」

子宮内膜症と不妊症パート1
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