不妊症/男性不妊の原因・検査法

男性不妊、EDと射精障害について

今回は前回に続いて男性不妊でもEDや「射精できない」といった射精障害によるものをご紹介してまいります。

執筆者:池上 文尋

先日、男性不妊の原因として精子数の減少のお話を書いたところ、オールアバウト週間ランキングの6位になりました。300以上あるテーマの中でマイナーなこの話題に多くの方がアクセスされた事は驚きでした。今回は前回に続き、男性不妊でも最近、特に注目をされているEDと射精障害について書いて行きたいと思います。

★EDについて

最近、EDという言葉をテレビなどでお知りになった方も多いと思います。EDとは、erectile dysfunctionの略で日本語に訳すと「勃起障害」ということになります。さて、このEDですが、これが原因で性交渉がもてないという夫婦が増えているそうです。

もちろん、性交渉がなければ子どもはできないわけですから、EDも立派な不妊の原因になります。2000年の一般市民意識調査では、既婚者の30%が勃起障害を自覚しているという結果もでており、今後ますます注目されることでしょう。EDの原因は、身体的なものと心理的なものの二つに大別できます。

心理的なものとは、性交渉の失敗経験によるトラウマや、性に対して奥手であることなどが挙げられます。治療はカウンセリングが必要になる場合もあります。身体的のものについては、勃起に必要な血管、神経やホルモンなどに異常がある場合があり、バイアグラなどの薬物療法が中心となります。

EDについての基礎知識は以前、For Mで書いた記事がございますのでご参照ください。

関連サイト
オールアバウト不妊治療「EDの基礎知識」
天神つじクリニック訪問記(男性不妊専門)

★射精障害

射精障害という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?勃起障害(Erectile Dysfunction;ED)についてはテレビCMなどでも話題になっていますが、射精障害については、みなさんあまりご存知ないかも知れません。射精障害とは、勃起には問題がなくても、射精ができない状態を言い、膣内射精不能、早漏・遅漏、逆行性射精などに分類されます。以下簡単に病状と治療について説明します。

1)膣内射精不能
膣内射精不能においては、マスターベーションで射精ができても、膣内では、射精できないケースが半分以上を占めます。原因としては、誤ったマスターベーションや性交に集中できないことが挙げられます。誤ったマスターベーションとは、布団や手のひらに強くこすりつけることなどを指します。

こういったマスターベションを頻回に行っていると、マスターベーションの刺激が強すぎて、膣の刺激では射精が起きにくくなってしまいます。治療としては、正しいマスターベーションを訓練して、膣の刺激でも射精するように指導します。性交に集中できない場合は、性的なイメージを空想して集中力を高めます。

2)早漏・遅漏
早漏および遅漏は、主に、心理的な要因によるもので、カウンセリングなどの心理療法が中心となります。

3)逆行性射精
逆行性射精とは、精液が尿道をとおって外部に射出されずに、膀胱に逆もどりしてしまうことを言います。糖尿病や、前立腺や膀胱の手術後に発症するケースが多く、また、脊椎損傷などによっても起こります。治療としては、膀胱から精子を採取したり、前立腺に刺激を与えたりして精子を採取し、人工授精法、場合によっては顕微授精等を行います。
PCO
最近、仕事で疲れている方が増えているようです。
PCO
風俗産業通いやAVの見すぎは時として射精障害の原因となります。
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