50年前と比較して一番変わったのは女性においては「家事」ではないでしょうか?昔の女性は炊事、洗濯、掃除とすべて手作業だったのです。炊飯のためのカマドの薪の準備、釜の掃除、米の脱穀、洗濯板での洗濯、洗濯物の干し作業、ほうきでの掃除、家のふき掃除などなどちょっと考えたわけでもかなりの運動量です。今は家電製品が揃っていますから、これらの作業が10分の1以下になったのではないかと思います。
洗濯板です。最近とんと見なくなりましたよね。 |
これは妊娠に大きく影響していると思います。例えば掃除洗濯では足腰をかなり使いますし、その意味で筋肉が鍛えられていると考えられます。また、家族のために毎日規則正しく行なわなければならないので、生活のリズムや睡眠がしっかりと決まっていたと言う事もいえるでしょう。生活のリズムというのはホルモンバランスにも多大な影響を与えます。
昔の女性は毎日の生活の中で身体を鍛え、毎日の生活のリズムの中で身体のホルモンバランスが保たれていたということがいえるかと思います。これが妊娠の確率を上げ、なおかつ多産に結びついたのではないかと思われます。
一方、現在の女性の生活を見ると家事の時間が飛躍的に少なくなり、運動量も減っています。そして毎日の睡眠が決まった時間に取ることが難しくなっています。それは仕事であったり、娯楽であったりするわけですが、時には少ない睡眠であったり、時間がずれたりするわけです。これでは身体のホルモンバランスが昔に比べて崩れてしまうわけですね。
ストレス環境の比較
これも大きく変わりましたよね。主婦が外に出て仕事をするということは50年前、非常に少なかったわけで、自分の近所や村の単位で人間関係を構築するだけでOKだったのです。そしてまだコミュニティも充実していた時代です。
肩こり、目の疲れを訴える女性急増していますよね。 |
今は女性の社会進出も目覚しく、多くの妊娠希望の女性も男性と同じくビジネスシーンにて活躍しています。よってビジネス社会の競争の中に身をおいている部分、ストレスにさらされる危険性が高いといえます。また、ストレスを浴びても昔のように大家族や地域コミュニティが充実していないため、癒される機会が減っているともいえるかと思います。
ストレス防御のための副腎皮質ホルモン分泌は妊娠に関連する体の機能に影響を与えるだけではなく、他の機能にも大きな影響を与える事がわかっております。ストレス防御は妊娠率向上のための必須条件だと思われます。