でも、その有用性も捨てがたいという声もあるのも事実。
そこで、今回は「女性ホルモン補充療法って、そもそもなんなんですか?」というご質問にお答えします。
<CONTENTS>
- そもそも更年期障害ってなんですか?…女性ホルモンの急激な低下が原因
- それでは女性ホルモン補充療法(HRT)ってなんですか?
- 女性ホルモン補充療法(HRT)ってかなり怖いものなんですか?
- 女性ホルモン補充療法(HRT)で一番気をつけることを教えて! 更年期障害、お薬以外の対処法を教えて!
更年期障害が起こるワケ
女性ホルモンの急激な低下が原因
女性ホルモンの急激な低下が原因 |
この時期は、急に女性ホルモン(特にエストロゲン=卵巣ホルモン)が減ることで、女性の体に大きな変化がおこります。ほとんど何も感じないですごせてしまう人もいますが、日常生活が困難になってしまうほどの症状が出る人もいて、この場合を一般的に『更年期障害』と呼んでいます。女性の体のホルモンの変化については自分は今どこ?女性ホルモンロードマップへどうぞ。
そもそも女性の体の中には『卵胞ホルモン(エストロゲン)』『黄体ホルモン(プロゲステロン)』という女性ホルモンがあって、妊娠・出産・月経周期をコントロールしています。そして、この『エストロゲン』と『プロゲステロン』の分泌量と時期をコントロールしているのが脳下垂体や視床下部と呼ばれる脳の中の一部なのです。
閉経が近づくと卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の量が減りますが、体はけなげに、この変化に何とかついてゆこうと頑張ります。つまり、脳は『エストロゲンを出しなさい』という指令を出しつづけようとするのです。ところが、そもそもの卵巣の機能が衰えているので、頑張ってもエストロゲンは増えません。
すると、この過程でからだが混乱してしまいます(特に女性ホルモンの脳の司令塔(視床下部)は自律神経のコントロールにも関わっているので、いわゆる『自律神経失調状態』の症状が強く出るといわれています)。このとき表れる症状が一般に『更年期障害』と呼ばれているものです。具体的には、イライラ、めまい、ほてり、のぼせ、頭痛、動悸、息切れ、汗をかきやすい、不眠、情緒不安定、食欲がないなどです。
(女性ホルモンについて詳しくは身体を一定に保つ大事なしくみ ホルモンバランスって何ですか?へどうぞ)
ただし、更年期障害はそれだけではなく、肩こり、腰痛、関節痛が出現したり、残尿感や頻尿などの尿の症状、しびれ、めまい、体が乾燥しやすくなど、かなり多彩な症状が出現します。
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