治療には経口補水液(OS-1)、予防には手袋が効果的です。詳しくご紹介しましょう。
意外と多い秋の食中毒
過去を振り返って、こんな経験はありませんか?上の項目に複数当てはまるような経験はありませんか?
もし当てはまるものが複数ある場合、黄色ブドウ球菌の毒素による食中毒だった可能性があります。医者の不養生ではありませんが、医学系の学会で同じ仕出し弁当屋からの弁当を昼食に数千人で食べて、その後、数時間後に数百人が嘔吐・下痢をして、その日の午後の学会が大混乱した事もあるくらい、怖い中毒なのです。
加熱して菌が死んでも、毒素は残る?
拡大して見るとブドウの房のように見えます |
黄色ブドウ球菌は、食品についていることもありますが、ヒトの鼻腔に常在していることがある菌です。花粉症の人では、その割合が高くなります。アトピー性皮膚炎の人では、原因とはいいませんが、かきむしって過去に出血した部位に常在している事が高い菌です。
細菌の培地上の集落が黄色に見える事多いので黄色、染色して見るとブドウの房のように見えるので合わせて黄色ブドウ球菌と呼びます。食中毒に関係したこの菌の特徴としては、以下のようになります。
- 出血した部位に付きやすい
- 化膿性炎を起こす
- 菌自体は熱で死滅する
- 他の菌の増殖を抑える程度の塩分があると増殖し易い
- 耐熱性の毒素を産生する
- 毒素のために嘔吐や下痢を起こす
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