心臓・血管・血液の病気/心筋梗塞・狭心症

尿酸が高い人は狭心症・心筋梗塞にも注意!(2ページ目)

尿酸値が高くても、痛風発作がない場合もあります。しかし高尿酸血症は、狭心症・心筋梗塞の危険因子とも言われています。尿酸値を下げれば心疾患を減らせるのか、2つの関係性をご説明します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

尿酸値を下げたら心疾患は予防できるの?

痛風の薬
尿酸値を薬剤で下げるのは簡単です。
心疾患を確実に予防するのは、まず高血圧にならない事。糖尿病を予防する事ですね。

食事療法で尿酸値にを大きく下げることは困難ですが、薬物で下げる事は難しくありません。もし、尿酸値を下げて心疾患が減るのならば痛風発作の予防と一石二鳥という事になります。そこで行われたのは尿酸値を下げると心疾患が減るかどうかという調査です。

しかし結論としては、薬剤を使って尿酸値を下げた群と使わなかった群の間に、心疾患についての差は見られませんでした。尿酸自体は直接には心疾患には関係していなかったのです。これを、どう考えればよいのでしょうか?


尿酸値の高い人は狭心症・心筋梗塞にも注意!

尿酸値が高いと狭心症・心筋梗塞の危険因子と言われたのは、なぜなんでしょうか? 実は、尿酸値が高い人は中性脂肪が高くて、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い傾向があるのです。特に低HDLコレステロールは狭心症・心筋梗塞の危険因子となります。

高尿酸血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロールは内臓脂肪の蓄積・脂肪肝と密接に関係しています。内臓脂肪の蓄積・脂肪肝に伴って上昇した尿酸値だけを薬で下げても、心疾患の予防とならなかったのはこのためですね。

無症候性高尿酸血症の人は、もちろん痛風発作に対する注意が必要です。血液検査で分る尿酸値以外の検査項目のHDLコレステロールにも注目しましょう。高尿酸血症に加えて、低HDLコレステロールを指摘された人は狭心症・心筋梗塞にも注意が必要となります。

狭心症・心筋梗塞の予防策としては、まず体重測定を日課にしてみましょう。すぐにダイエットは無理でも、体重を増加させないことが最低限重要です。


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