夏からの旅行シーズンも一区切りつきました。ガイドの周りでも、おみやげ話がちらほら聞こえてきます。気の早い方はもう来年のお正月休みの旅行先を考え始めている今日この頃。
旅行といえば、「エコノミークラス症候群」って知っていらっしゃいますか?これは、海外旅行などで長時間狭い座席に座り続けた後、着陸後に足の静脈に生じた血栓(血の塊)が肺に詰まって呼吸困難になり、最悪の場合は死んでしまう症状のこと。
「内容は知らないけれど、名前だけは聞いたことがある」という方も多いと思いますが、実はこの疾患の危険因子として、妊婦さん、経口避妊薬を飲んでいる方などがあげられています。
そんなわけで、今回はエコノミー症候群について特集します。
エコノミークラス症候群ってなあに?
海外旅行などで長時間狭い座席に座り続けた後、着陸後、立って歩き始めた瞬間に、足の静脈に生じた血栓(血の塊)が肺に流れて、肺の血管に詰まって胸痛、呼吸困難を引き起こし、ひどい場合は死に至る症状のことです。
ちなみに、足の血管で血が固まってしまうことを、正式には『深部静脈血栓症』、肺の血管に血の塊がつまってしまうことを『肺塞栓症』といいます。
原因はなあに?
飛行機の中は乾燥していて水分が失われやすいので血がどろどろしてしまい、加えて狭い座席で長時間足を動かさないでいることにより、血栓が足にできてしまいます。そして立ちあがった瞬間に肺に流れてしまうのですね。
エコノミークラスでなければ安心?
足の血の流れが悪くなることが問題なので、ビジネスクラスやファーストクラス、また鉄道や船でも起きる可能性はあります。ですから最近では『旅行者血栓症』という名前にしようといわれています。