肺・気道の病気/その他の肺・気道の病気

命を縮める? へび背の肺機能低下(2ページ目)

へび背はダイエットをするのに不向きだと言われることがあります。その真偽はともかくとして、背骨の病気は肺機能の低下につながることがあります。内科領域の治療法をご紹介します。

執筆者:吉國 友和

へび背の合併症、呼吸機能の低下

肺機能
あなたの肺活量はどのぐらい?
背骨が曲がる病気の原因は様々ですが、それぞれの病気によって特徴的な所見があります。例えば、脊椎結核(せきついけっかく)の後遺症によって、前後方向へ背骨が曲がる亀背(きはい)では、肺活量の低下が特徴的です。結核そのものの病変が肺に及んでいれば、恒常的に低酸素状態が続くこともあります。

横方向へ背骨が曲がる側弯症では、肺活量の低下に加えて、空気中の酸素を取り込むことが難しくなり、慢性的な低酸素状態につながることがあります。軽症であれば日常生活に大きな影響はありませんが、状態や年齢によっては、結果として生命を縮めてしまう可能性もある、ということです。側弯症は稀な病気ではなく、私自身も集団健康診断のレントゲン写真で患者さんに指摘することがあります。もしかすると、この記事をご覧になっている読者の方やその隣にいらっしゃる方も、側弯症を指摘されたことがあるかもしれませんね。


あなたの呼吸は大丈夫?

こうした側弯症が高度なときの呼吸のパターンは、「浅い呼吸だけれども、息は荒くない(呼吸の回数は正常範囲)」ということが多いです。同じように浅い呼吸であっても、呼吸回数が増加する(息があがる)肺線維症・間質性肺炎などの病気とは、外見以外でも区別するポイントの1つです。入浴時に背中を鏡で映して、背骨が曲がっていないかを確認してみましょう。肉眼的に見てわかるぐらいの変化の場合、整形外科でどの程度背骨が曲がっているのかを確かめるなり、内科・呼吸器科で経年的に肺活量を測定するなりしたほうが良いでしょう。


慢性的な低酸素状態があれば在宅酸素療法を行いますが、高濃度の酸素吸入がかえって健康に害を与えることがあります。この場合、特殊な治療法を併用するのですが、このことについて少しだけ述べたいと思います。

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