へび背の合併症、呼吸機能の低下
あなたの肺活量はどのぐらい? |
横方向へ背骨が曲がる側弯症では、肺活量の低下に加えて、空気中の酸素を取り込むことが難しくなり、慢性的な低酸素状態につながることがあります。軽症であれば日常生活に大きな影響はありませんが、状態や年齢によっては、結果として生命を縮めてしまう可能性もある、ということです。側弯症は稀な病気ではなく、私自身も集団健康診断のレントゲン写真で患者さんに指摘することがあります。もしかすると、この記事をご覧になっている読者の方やその隣にいらっしゃる方も、側弯症を指摘されたことがあるかもしれませんね。
あなたの呼吸は大丈夫?
こうした側弯症が高度なときの呼吸のパターンは、「浅い呼吸だけれども、息は荒くない(呼吸の回数は正常範囲)」ということが多いです。同じように浅い呼吸であっても、呼吸回数が増加する(息があがる)肺線維症・間質性肺炎などの病気とは、外見以外でも区別するポイントの1つです。入浴時に背中を鏡で映して、背骨が曲がっていないかを確認してみましょう。肉眼的に見てわかるぐらいの変化の場合、整形外科でどの程度背骨が曲がっているのかを確かめるなり、内科・呼吸器科で経年的に肺活量を測定するなりしたほうが良いでしょう。慢性的な低酸素状態があれば在宅酸素療法を行いますが、高濃度の酸素吸入がかえって健康に害を与えることがあります。この場合、特殊な治療法を併用するのですが、このことについて少しだけ述べたいと思います。
次のページでは更に詳しい合併症の治療法についてご説明します。