今回はこの病気が起こるメカニズムと症状、予防・治療法の有無についてご紹介します。
突発性内耳障害の主な症状
内耳は頭蓋骨の中で複雑な構造をしています。 |
耳の構造は実は複雑。耳たぶから鼓膜までの「外耳」、鼓膜から耳小骨を含む「中耳」、耳の奥で頭蓋骨に埋まっている「内耳」の3エリアに分かれます。さらに内耳は、聴力を司る蝸牛(かぎゅう)という部分と、平衡感覚を司る三半規管に分かれています。
ですので内耳に障害が起きると、聴力障害と平衡感覚の障害が起こるのです。難聴の他、吐き気を含むめまいを起こすこともあります。
突発性内耳障害の原因は…
「突発性」難聴は、突然起こるという意味だけでなく、原因不明で起こる病気という意味を持っています。ある日突然、原因も思い当たらないのに片耳の聴力が低下していると気づくことで、発症が判明します。腫瘍との関係はないので、この点は心配いりませんが、原因ははっきりしていません。循環障害、代謝障害(栄養障害)、炎症(感染症)が考えられますが、現時点では明確になっていないので「○○性難聴」という明確な病名がつけられないのです。「突発性難聴」と表現されるのはこのためです。
対処法はない? 補聴器の有効性
内耳障害による難聴では補聴器では補えません |
補聴器は音を電気的に増幅して、小さな音を大きく捉えさせる装置ですが、内耳障害の場合は、そもそも音を捉える蝸牛から大脳に信号が伝わらない状態なので、補聴器の効果は期待できないのです。この障害を難しい表現ですが感音性難聴といいます。補聴器を用いて改善する可能性がある難聴を難しい表現ですが伝音性難聴といいます。
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