耳管開放症は古くから報告されている病気です。特徴的な症状は自声強調といって自分の声が大きく聞こえる点です。症状は前かがみになったり、体を横にすると軽くなることがあります。男性より女性に多くて、きっかけの一つにダイエットがあります。急激なダイエットで体重減少後に急に自分の声の聞こえ方が変わった人は、耳管開放症を発症した可能性があるので注意が必要です。
耳と音の伝わり方
 |
青:鼓膜、赤:耳小骨、紫:鼓室、黄:蝸牛・三半規管、緑:神経耳の音の伝わり方を簡単に説明します。普通の音の伝わり方は鼓膜が振動します。鼓膜の振動が耳小骨で増幅されます。耳小骨から蝸牛に振動が伝わり、蝸牛の中のリンパ液の振動を聴神経が音として捕らえます。これが通常の音の伝わり方で気導と呼びます。
気導は鼓膜の病気があると聞こえ方に変化がでます。耳鼻科の診察では外から鼓膜の変化を確認します。中耳炎では鼓膜の変化が認められます。
録音した自身の声が違うのはなぜ?
自分の声(自声)を録音する事はあまりありませんね。でも携帯電話の留守番電話などに自声を吹き込んだものを聞いてみると、普段聞いている自分の声とは違って聞こえます。その理由は自声は骨導といって鼓膜を経由しないで蝸牛に直接伝わった音も加わっているからです。自声は気導に骨導を足した音を聞いています。
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