虫歯/虫歯の治療法

歯のレントゲンの見方の3つのポイント

【歯科医が解説】歯科では歯のレントゲンを実際に患者さんに見せながら説明することがあります。歯のレントゲンの見方が分からない方は、「全体を俯瞰的に」「左右を比べながら」「陰に注目して」見るのがポイント。歯科医でなくても簡単にできる歯のレントゲンの見方の3つのポイントを解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

歯のレントゲンを何度も撮る理由・正しい見方は?

歯のレントゲンの見方とは

歯のレントゲンの見方とは


病院では、歯のレントゲンを時には同じ部分を何回も撮影することもあります。レントゲンで何を調べ、どんな場合に撮影が行われるのか? またレントゲンを見る時のポイントなどを解説します。
 

歯医者のレントゲンで写るもの……神経・虫歯の状態・歯石など

歯のレントゲン
歯肉や粘膜などは写らないが(黒部分)、骨や歯などは、構造まで良く写る(白部分)。
歯のレントゲンに写るのは、主に以下のものです。


歯は、断面的に見ることが出来ます。歯の内部の神経が入っている場所や、歯の根の本数(上の奥歯は3本、下の奥歯は2本など)なども確認出来ます。親知らずなどの見ただけでは分からないような場所に潜り込んでいるものも確認することが出来ます。

■虫歯
虫歯の進行状況の確認や、肉眼では絶対に発見できないような場所(歯と歯の間、被せ物、詰め物の内部など)の虫歯が写ることがあります。

■骨
顎の骨の状態を確認することが出来ます。骨の構造や、歯を支えている量、炎症を起こしていないか、などを確認することが出来ます。

■歯石
レントゲンで確認できる場合には、歯石が大量に存在していることがほとんどです。ごく少量の場合には、確認できないことがあります。

■金属
金属は白く抜けて写ります。歯にはめ込んである物や、被せ物などの場所や、形態を把握することができます。

レントゲンに写っているのは、外から目では見る事の出来ない、内部の状態や構造などです。ちなみに歯肉や頬の肉、舌などの組織は写りません。
 

歯のレントゲンを撮る理由…痛みや腫れの原因から、経過・治療後の確認まで

口の中のレントゲンは、主に次の3つの段階で撮影されることがほとんどです。

■歯の痛みや腫れの原因の確認
痛みや腫れなどが現れた場合には、その原因がどこから起こっているのか? 口の中を見ただけでは分からないことが多いため、原因を確認する為に撮影します。

■経過の確認
治療の途中の段階で、原因となっている場所が、改善方向に進んでいるかの確認のために撮影することがあります。

■治療後の確認
治療の結果、正常な状態に回復したかどうか? など確認する為に、治療後に確認の為のレントゲンを撮影することがあります。

レントゲンは体への負担を考え、意味も無く撮影することはありません。よく、同じ場所をどうして何回も撮影するの?といった疑問を耳にします。しかし同じ場所でも、治療を行なった為に現れる変化を確認するために撮影していることがほとんどです。

口の中の病気のほとんどが、レントゲンを撮影しないと正確な診断や処置ができないといっても過言ではありません。レントゲンを撮影しないと治療を正確に行なえないこともあります。したがって妊娠中などでレントゲンを撮影しない場合には、病気の診断を下すのに時間が必要だったり、治療の成果を目で確認できなかったりすることがあるので注意が必要です。
 

歯のレントゲンの見方の3つのポイント

歯のレントゲン
問題がある部分は、全体のバランスの中で違和感が感じられるような画像になっている場合が多い
最近では患者さんに直接レントゲンを見せて説明する病院も増えてきました。そんな場合に備えて、一般の人がレントゲンを見る時のポイントを紹介します。

■初めから細かいところは見ない
初めから細かいところを見ようとしないで、まずは全体を見る広い視点で見てから、指摘された部分を見ると理解しやすくなります。

■左右を比較する
大きめのレントゲンでは、歯の右側と左側が一緒に写っています。指摘された部分と同じ場所で反対側にある正常な歯と見比べるようにします。

■影に注目する
問題を起こした場所は多くの場合、周辺よりも少し暗めで濃い目の画像になりがちです、そのため影のように見えます。


レントゲンに悪い部分が写っているかは、まず正常なレントゲンの画像を知らなくてならないため、一般の人にはわかりにくい面があります。しかしその画像でしか説明できない場合も多いため、よく説明に用いられます。上記のポイントを参考にすれば、少しは理解しやすくなると思います。

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