口の中(歯肉)のできものの原因は?
以前から違和感があった歯の周辺の歯肉に突然「オデキ」の様な腫れ物が出来てなかなか治らない…。気になるけど歯肉も歯も痛くない。どうしてこんな状態が続くのか?解説します。
口の中、特に歯肉の赤いできものの特徴
歯肉に見つかることの多いオデキは次のような特徴があります。オデキは、歯よりも5~10ミリ離れた歯肉に見つかることが多い |
- 痛みはない
歯も歯肉もあまり痛くもなく、オデキの膨らみが少し気になる程度です。
- 場所は歯肉にできる
歯肉にオデキのような腫れ物が出来る時には、歯と歯肉の境目から歯の根の方向に5~10ミリの場所に出来るのをよく見かけます。大きくなるとプクッと膨らみ先端から膿が出ていることもよくあります。 - 形は「肉まん」型
オデキは、「肉まん」型の山のような盛り上がりで、直径は1~5ミリ程度と小さなものです。大きくなると全体が腫れてしまうため、10ミリ以上の大きなものはまれです。
- 押すと膿が飛び出す
山の頂上部分には、小さな穴が開いて、山の周囲を舌や指で押すと中から液体(膿)が出てきます。
- 時々大きさが変化する
疲れが溜まったりすると大きくなったり、腫れたりしますが、しばらくそのままにしておくと元の大きさに戻ったりを繰り返します。
腫れたり元に戻ったりを繰り返すオデキはまるで「火山」のようなものです。普段は、内部のマグマ(膿)が溜まらないように少しづつ膿を外に流し続けています。しかし膿の通り道が何らかの原因で、詰まってしまったりすると、突然噴火を起こし膿を一度に排出します。
オデキの奥の方にはちゃんと膿を溜めておくマグマ溜まりのような場所もあります。膿が出るような状態になると、自然に治ることは、ほとんどありません。場合によっては十年以上もオデキがそのままになっていることもあります。
できものの原因は歯……痛くなくても歯医者で要治療
歯肉にできているので、原因は歯肉?と思いがちですが、この場合の原因の多くは歯にあります。歯が原因で膿を外に出すための膨らみがオデキの正体です。治療で治る場合には次のようなことがよく行なわれます。- 原因の歯を特定する
歯肉にできるオデキは、歯が原因で膿が出てくるための通り道の役目をしていることが多い
オデキの近くにある歯が原因のことが多いのですが、少し離れた歯が原因のこともあるので、まずレントゲンなどで、原因の歯を特定します。
- 被せものや詰めものを取り除きます
原因となる歯には、詰めものや被せものなどあることが多いのでこれらを取り除きます。
- 歯の内部を汚れを取り除きます
歯の内部の神経の入っていた空間の汚れが原因でオデキや膿が出てくることが多いので、この空間を細いギザギザした針金のような器具でやすりがけの要領で内部の汚れを削り落とします。一般的に「根の治療」と言われています。
- オデキが治ります
原因となった歯の内部の汚れがきれいになると、膿が作られなくなり、次第にオデキが治っていきます。
- 歯の内部に詰めものを入れます
綺麗になった歯の内部に再び汚れが入り込んでこないように、詰めものを入れます。「根に薬を詰めます」とか「根に詰め物入れます」とか説明される事が多いと思います。この後レントゲンで詰めものを確認したりします。
- 歯に被せ物や詰めものを作ります
被せ物や詰めもので歯の形を元に戻します。
この他に根にヒビが入っていたりすると、歯を抜かなければ治らない場合もあります。実際の治療はケースバイケースです。もし歯肉にオデキがあり押すと膿が出ているようならば、痛みがなくても、一度病院などで相談することをお勧めします。
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