ドライアイ/目の健康・アイケア

盲導犬クイールをご存知ですか

盲導犬が、歩道で、電車内で、活動している姿を見たことがありませんか。視覚障害のある方々の目となり、日常生活のサポートをしています。そんな盲導犬の活動を私たちはどのように見守り、支援できるでしょうか。

執筆者:高林 克枝

盲導犬、クイールのひたむきな生涯

映画『クイール』(配給:松竹)をもうご覧になりましたか?
これはすでに80万部を発行しているベストセラー、『盲導犬、クイールの一生』(文芸春秋刊)を映画化した作品で、多くの人々に感動と感激を与えています。

この本はフォトエッセイの形式で、生前のクイールの写真に加え、盲導犬としての生涯がまとめられていて、子供からお年寄りまで幅広い世代に人気があるようです。

体の横側に、かもめが羽を広げたような印をつけて生まれてきた、ラブラドール・レトリーバーは、クイール(羽根という意味)と名づけられました。クイールの生涯は、ただただ命ある限り、盲導犬という自分の役割をひたむきに果たしたものでした。飼い主との強い絆、深く無償の愛情と献身、出会いと別れは、単なる人と犬との関係を越えて、改めて基本的で大切なことを教えてくれるような気がします。

今回の「目の健康」は、そんな盲導犬の活躍を暖かく見守り支援するために、私たちに何ができるのかを考えてみたいと思います。


一般のペットとは誕生から違う、盲導犬の道のり

みなさんも、歩道で、電車内で、盲導犬が活動している姿を見たことがあると思います。視覚障害のある方々の目となり、日常生活のサポートをしていることは察しがつきますが、そのような盲導犬になるためには、様々な条件、素質、特別な訓練が必要なことはあまり知られていません。

一般の家庭のペットと違い、盲導犬になる犬は、生まれたときから、そういう人生をおくるための特別な道のりがあるのです。さらに、盲導犬ユーザー、訓練士、ボランティアの方など、盲導犬をとりまく人々の努力や協力、そして盲導犬育成団体の経験と指導がそれを支えています。

そんな盲導犬の活躍を応援するため、一般の人々ができる気遣いや、支援方法がありますから、ご紹介しましょう。


仕事中の盲導犬や視覚障害者の方への心遣い

まず、盲導犬はペット犬ではありません。一般家庭の犬との接し方とはちがいますので、注意しましょう。盲導犬の仕事中には、私たちもそれなりのマナーを心がけたいものです。

話しかけたり、呼んだりしないようにしましょう。
さわったり、なでたりしないようにしましょう。
じっと見つめないようにしましょう。
お菓子やパンなど食べ物を与えないようにしましょう。
ハーネスをさわったり、つかんだりしないようにしましょう。ハーネスとは、盲導犬がつけているハンドルのついた胴輪のことです。

視覚障害者の方への気遣い

誰でも急に見知らぬ人に体をふれられたら、びっくりしますよね。視覚障害のある方も同じです。突然、肩や腕をつかんだり、押したりしないようにしましょう。まず、声をかけ、援助が必要か尋ねてあげてください。

そして、誘導を頼まれた場合は、視覚障害のある方の左肩や左ひじを持ってあげて歩行する、またはその方の斜め半歩前に立ち(視覚に障害のある方が白杖または盲導犬のハーネスを持っていない側)、後ろから誘導する人のひじを軽くつかんでもらいましょう。

次のページでは、一般人ができる支援方法をご紹介>>

*画像提供 Copyright:『クイール』フィルムパートナーズ/配給:松竹
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