誰でも年齢を重ねれば、不眠傾向は強くなっていくもの。とはいえ、睡眠不足から運動機能の低下を引き起こし、転倒につながることも・・・。寝たきり状態を招くこともあり、けして侮れない症状です。

そこで今回は、お年を召したご両親をお持ちの方に、不眠の改善法や注意点、背後に隠れた病気などについてご紹介します!


不眠による昼間の眠気が引き起こすトラブル

シルバー世代に多い不眠症。なんと、60歳以上の3.5人に1人が不眠に悩んでいる、という調査データもあるほど。(1997年旧厚生省系の団体が実施)。しかし、睡眠が十分にとれないと昼間の眠気につながり、普段の生活にトラブルを引き起こしがち。

例えば、
  • 外出するのがおっくうになってしまう
  • ちょっとした家事をするのも大変になってしまう

    もっと困るのは、
  • 脳の働きが阻害されるため、運動神経や反射神経が鈍ってしまう
  • 不眠が原因で転倒しやすくなり、寝たきり状態を招く

    このように重大な事態になることもめずらしくありません。事故を防ぎ、いきいきとした毎日を過ごしてもらうためには質のよい睡眠が不可欠なのですね。


    なぜ不眠症になるの?

    それでは、歳をとるとなぜ不眠症になりやすくなるのでしょうか。

    第一の理由は、加齢にともなうエネルギー代謝率の低下。第二は、睡眠ホルモンといわれるメラトニン分泌力の衰えにより、睡眠と覚醒のリズムに狂いが生じること。結果的に体内時計が調節できなくなり、なかなか寝付けなくなってしまうのです。また、眠りが浅くなり、夜中に目が覚めることも。このほか、病気や生きがいの喪失、生活への不安や孤独感、刻々と迫る死への恐怖など、精神的なストレスがもととなる場合もあります。


    もしかしたら、こんな病気が隠れていることも・・・?
  • 脳の血管障害
  • 老年期うつ病
  • 睡眠時ミオクローヌス症候群
    (睡眠中に手足を動かすため途中で目が覚めてしまう病気)

    深刻な場合は病院へ行きましょう。



  • 解決法は昼寝!

    さて、それではシルバー世代のご両親にもっと質のよい睡眠をとってもらうにはどうしたらよいのでしょう?それはズバリ、「昼寝」をすすめること!

    かつて、昼寝は夜の睡眠の妨げになるから、と避けられてきました。しかし、最近の研究によって「短時間の昼寝をとると、日中の眠気を防ぐことができるうえ、不眠症の予防、改善に効果がある」ことが明らかとなったのです。実際に、高齢者の不眠症人口が全国でもとくに少ないといわれる沖縄では、昼寝を習慣にしている人が多いそう。下記のようなことに気をつけて、ご両親に昼寝をすすめてみましょう!



    健康的な昼寝の条件
  • 時間帯は午後1時~2時がベスト
  • 30分以内に起きるようにする
  • 週に3回以上、おこない、習慣にする


  • 「朝、起きたら散歩するなどして日の光を浴びる」「ウォーキングなど、適度な運動をする」なども、上質な睡眠をつくるコツです。


    アルツハイマー病の予防効果も

    さらに、昼寝はアルツハイマー病を予防する効果があるとも言われています。国立精神・神経センターの研究によれば、30分間の規則的な昼寝を続けると、発症の危険性は5分の1にまで下がるとのこと!ただし、1時間以上眠ると効果はないそうです。

    短時間の昼寝は精神的、肉体的ストレスを和らげる効果があるため、神経の興奮を抑える役目も果たします。したがって、夜、かえってスムーズに眠りにつくことが可能に。また、昼間の眠気を解消でき、より活発に活動することができるようになります。シルバー世代のご両親がいきいきとした社会生活を営むために、昼寝は大切な習慣といえるでしょう。


    【参考文献】
  • 「どんな不眠もこれで治せる」(大熊輝雄監修 マキノ出版)
    呼吸法や入浴、ストレッチ、眠りを誘う食べ物などなど、快適な睡眠のためのノウハウがぎっしり。
  • 「ストレス社会の快適睡眠」(斉藤恒博著 NHK出版)
    睡眠のあらゆる疑問に答えてくれます。巻末には快適睡眠に役立つ全国病院一覧も!
    *関連リンク*
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