脳・神経の病気/脳梗塞・脳出血・くも膜下出血

脳梗塞、心筋梗塞は予防可能?(2ページ目)

脳梗塞、心筋梗塞は予防可能か、そもそもどんな病気か、なぜ若い人よりシニアに多いか、といったご質問にお答えします。

山田 恵子

山田 恵子

女性の健康 ガイド

医師

東京大学医学部卒業。整形外科専門医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、東京大学医学部附属病院整形外科。ロコモチャレンジ!推進協議会委員。研修医や救急医療でのハードワークで体を壊してしまった経験を含め、現代社会で頑張る女性に役立つ健康情報をお届けします。

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なぜ若い人よりシニアに多い?
血管の老化が一因

血管は水道のホースと同じ
血管は水道のホースと同じ
右の図をご覧ください。

人の血管はちょうど水道のホースみたいなものだと想像してみてください。水道ホースも年季が入ってくればだんだん硬くなり、中にいろいろな泥やさびがたまってきて、柔軟性がなくなりますよね。その状態が動脈硬化と同じイメージです。泥やさびを作るのがコレステロールであり、血糖だったりするわけです。血管壁にべっとりとしたコレステロールがくっつくのは、ちょうど、水道管の詰まりを想像していただくと近いと思います。さらに高血圧は、この硬く狭くなったホースにさらに水圧(血圧)がかかっていると想像してみてください。かなり負担が高そうですよね。

そして、もちろん、狭くなった血管は詰りやすくなります。血流の多い臓器ほどその影響が大きく出ます。つまり、心臓、脳、腎臓などです。脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓の栄養血管が詰まれば心筋梗塞、腎臓の血管が詰まれば腎不全、どれも場合によっては死に至る疾患です。

糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病がクローズアップされるのは、こういったそもそも加齢に伴う血管の状態をさらに悪化させる因子だからです。肥満が加わると「メタボリックシンドローム」ですよね。メタボリックシンドロームについて詳しくはメタボリックシンドロームって何?へどうぞ。

日本人における動脈硬化症の危険因子
日本人における動脈硬化症の危険因子
参考までに「日本人における動脈硬化症の危険因子」という表を載せておきます(人はなぜ太るのか 岡田正彦 岩波新書より引用)
数値が大きくなればなるほど、動脈硬化になる可能性が高いことを示します。ご覧の通り、やはり、最も大きい関与は「年齢」なのです。

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