健康診断・検診・人間ドック/健康診断の種類・結果の見方・注意点

健康なときに受けるのが健康診断!?

健康診断は、どうしても、面倒なものとして捉えられがちです。毎日、仕事や家事に忙しいのに、会社や役所から連絡が来て、受ける。しかし、健康なときにこそ健康診断を受けることが大切なのです。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

健康診断の本当の意味は?

健康診断の本当の意味は?
健康診断って、なんだか面倒くさい……。そういう方も少なくないように思います。しかし、何のために健康診断を受けるのか、その本当の意味をご存知でしょうか?
私が健康診断の結果説明をしていて残念に感じることは、せっかく受けられている健康診断の価値と意義を見出せずにいる方が少なくない事です。

そのような状態で受診された方は、ご説明もあまり聞いていただけないだけでなく、健康診断の結果についても、あまり上手にご活用いただけていないようです。

健康診断を受けられる方に、是非、押さえておいていただきたいポイントがあります。

健康なときに受けるのが、健康診断です

健康なときに受けるのが、健康診断です
普通、病院に行って医師の診察を受けるのは、病気になって具合がわるくなっている時です。しかし、健康診断は、そういった症状がない、いわば健康なときにうけるものです。
普通、医師の診察を受けるのは、病気の時です。頭が痛いとか、胸が苦しいとか、不快な症状や苦しい症状がある時に、「何とかして欲しい」と思って受診するのが医療機関です。しかし、健康診断は異なります。「別に体調は悪くない。でも、会社や役所から受けなさいと言われたから、受けている」というスタンスで健康診断を捉えられている方も多いのではないでしょうか?この、何となく釈然としない感じ、そして「受けさせられた」という「受け身」の気持ちが、健康診断の価値と意義を見いだせられないということにつながっているのかも知れません。

しかし、よく考えていただきたいのは、「健康なときに受けるのが、健康診断である」ということです。いや、もう少し正確に言えば、「自分では健康だと思っている時に受けるのが、健康診断である」ということになるでしょうか。

人間の体は、体内で起こっている変化を、なるだけ表に出さないようにしようという性質があります。これを。ホメオスターシス(=恒常性の維持)と言います。すなわち、体の色々な臓器で変化が起こっていたとしても、最初のうちには、ほとんど体のホメオスターシスの機構が働いて、症状を感じることはありません。逆に言えば、「症状が出てきた」ということは、病状としては症状を隠しきれないくらいに進んでいるという可能性もあるということです。

がんの予防や治療について、最も大切なことは、「早期発見」と「早期治療」です。そして、早期発見のためには、症状が何もないときにこそ、健康診断をうけておくことが大変重要になります。「症状が無いとき、すなわち、自分が健康だと思っているときにこそ受けるのが、健康診断である」ということを是非、ご理解いただければと思います。

大切な時間とお金を使って受ける健康診断。是非、あなたの健康のために役立ててくださいね。

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