肥満・メタボリックシンドローム/肥満・メタボリックシンドロームの基礎知識

特定健診 お腹のサイズがアナタに警告!(2ページ目)

特定健診が始まろうとしていますが、その大きな目的はメタボリック症候群をいかにして見つけ出すかということにもあります。その柱となるのが腹囲測定ですが、正確な判定ができるのでしょうか?

執筆者:吉國 友和

メタボの持つ意味を再認識

頭痛
突然の頭痛、もしかして……! 重大な病気を未然に防ぐのがメタボリック症候群の診断意義です
まず、健康診断を受けるのは義務ではなく権利であるということ、メタボリック症候群は病気というよりも警鐘・警告である、と考えていただきたいのです。これまでの記事でも書いてきたことですが、健康診断というのはあくまでも日常の健康管理と病気の早期発見を目指すことが目的です。

健康診断を受ける日に限って食事制限や運動をして、何とか検査結果にも異常が出ないようくぐり抜けたとしても、健康診断が終わった途端に不摂生な生活を送ってしまっては健康診断の持つ意味合いも薄れてしまいます。

メタボリック症候群での腹囲測定も同じことで、ごまかして基準より1cm下だったから安心だということではなく、診断基準を満たしていると脳卒中や心筋梗塞など重大な病気を招く危険性が高くなるので今後の生活に注意してくださいね、という警鐘です。危険性という言葉だけでも蓋然性を含んでいますが、それが「高まる」ということであって、必ずしも病気になるということではないのです。


健診は受けることに意味がある

極端な話ですが、健康診断で腹部CT検査を行って内臓脂肪量をきちんと計測すれば、更に正確な診断が可能となるのかもしれません。しかし、毎年検査を繰り返すことによる放射線の被爆量・健康診断にかかる費用ともに膨らんでしまいます。それを避けるための腹囲測定でもありますから、必ずしも測定値だけに流されずに、まずは健康診断を受けてご自身の健康がどのような状況であるのかを確認していただければと思います。

ガイドプロフィールのページのご挨拶にも記載していますが、救急搬送となるケースではご自身の健康状態に注意されていない方が非常に多いのは事実です。残念ながらどんなに努力しても、1人の医師が助けることのできる命、治療が可能な病気というのは限界があります。健康診断によってご自身の健康を見直していただくことで、少しでも病気になるリスクを回避することが大切です。それが本来の健康法、予防医学の考え方ではないでしょうか。


今回の特定健診、厚生労働省や研究者の意見はともかくとして、正直なところ医療の現場でも果たして何がどう変わるのか、また本当に意味があるのかという疑問もあるようですが、まずは実際に健康診断を受けた上で今後の経過にも着目してください。

なお、特定健診実施に先駆けて「Yes/Noでメタボ判定! バーチャル特定健診」)と題し、二者択一式で診断する記事を準備しました。特定健診の内容を一足早くお試しください(その際には、コレステロール値や血糖値の記載された直近の血液検査データをご用意ください)。


【関連リンク】
・ 血液検査のコレステロール基準値と目標値は別のものです
1分で判定! あなたのコレステロール目標値(All About 50代からの健康法)
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