目の前の収入だけで、買える買えない、返済できるできない、を判断するのは危険です。将来にわたってあなたの収支が赤字にならないような、マンション購入予算を立てることが重要です。
さて、シリーズ(3)では、生涯収支と住まいの予算について考えていきましょう。
「生涯収支」とは
「生涯収入」のベースとなるのは勤労収入です。 |
一方の支出は、衣食住の住以外の生活費、その他の基本の生活費(通信費など)、娯楽費などが含まれます。
これら、収入と支出を現在のもの、将来発生が見込まれるものをそれぞれピックアップし、合計したものが、生涯収入であり、生涯支出であるとして、話しを進めます。
※「生涯収入」「生涯支出」については、同シリーズバックナンバー(1)(2)を参照ください。
「住まいの予算」とは
マンション購入を考える際、現在の年収を基準に「いくらのマンションが買えるのかしら」「毎月いくらのローン返済が可能かしら」と資金プランを立てることがほとんどです。これは大変重要なことなのですが、一方で落とし穴にもなる、ことはシリーズ(2)でお伝えしたとおりです。
購入時点の収支だけで判断してしまうと、将来の大きな支出(留学、海外旅行etc.)や、転職・独立などによる収入の減額が見込まれる際の対応がとれません。せっかく念願のマンションを購入したのに、数年後に「買わなければ良かった」などとは絶対に思いたくないですよね。そうならないための秘策が「住まいの予算」という考え方です。
■住まいの予算≦生涯収入-生涯支出
あなた自身の生涯収入から、見込まれる支出を引き算し、その残りの範囲でマンションを購入し、維持管理していこう、そうすれば生涯収支が大きく赤字になることはない、という考え方です。注意したいのは、以下の点です。
■住まいの予算≠マンションの購入価格
けっして、「住まいの予算」と同額のマンションを購入してはいけません。「住まいの予算」には、以下のものが含まれます。
■「住まいの予算」の内訳
○マンション購入代金
○購入時の諸費用
○住宅ローンの利息
○管理費・修繕積立金等
○住んでいる時の諸費用(メンテナンス代、固定資産税など)
○リフォーム費用
○その他
「住まいの予算」は、各人の生涯収入と生涯支出から計算するため、パーソナルな数字となります。同じ年収であっても、ライフスタイルや生涯支出が異なるため、「住まいの予算」は同額とはなりません。では、あなたがあなた自身の「住まいの予算」をはみ出して、高額マンションを購入してしまった場合はどうなるのか、次ページにて検証してみましょう。