メラニン合成を抑制してくれるビタミンC。美白のためサプリで摂っている人も多いかもしれません。飲み方のコツで効果が変わります
ビタミンCの血中濃度を考えた上で、ビタミンCの効果を高める飲み方を解説しましょう。ビタミンCを飲む時間として、食事中、食間、就寝前などがあると思いますが、それぞれ医学的な根拠があるのです。
考えるべきはビタミンCの「血中濃度」をいつあげたいか
ビタミンCに限らず、飲んだ薬物の血中濃度と薬物の効果とは一定の関係があります。ビタミンCを飲む量を増やせば、血中濃度が高くなります。しかしビタミンCの場合は、飲む量を増やすと排泄量も増して、体の中に残っている量(吸収した量-排泄した量)はあまり増加しません。そこでポイントになるのが、高い血中濃度を維持し、より高い効果が期待できるようにするビタミンCの飲み方です。ずばり、ビタミンCは飲む量よりも飲み方が大切なのです。ビタミンCを飲んだ場合、小腸からの吸収と腎臓からの排泄の関係で、3時間後が最も高い血中濃度になります。つまりビタミンCの効果が最大になるのは、飲んでから3時間後というのが重要な点です。もうひとつは、主な排泄経路である腎臓の働きを考慮しなくてはいけません。
ビタミンCを食事の時に飲む…飲み忘れ防止にも合理的
ビタミンCはもともと食事から摂取しています。ですから、ビタミンCを食事の時に飲むのは生理的に正しい飲み方です。実際、ビタミンCを一日三回、食事の時に服用すると血中濃度が上昇します。食事の時に飲むのは、飲み忘れを防止する点からも合理的です。ビタミンCを食間に飲む…一日中、高い濃度を維持できる
食事の間隔は、食事の回数や朝食~昼食、昼食~夕食で異なりますが、だいたい4~8時間です。ビタミンCは食事をしてから3時間後が最も高い血中濃度になるので、次の食事の直前が最も低い血中濃度になります。食事の時間がある程度決まっている人には食間に飲むことをすすめます。食間に服用すると、結果として一日中高い濃度を維持することが可能となります。ただし、もともと食事時間が不規則な生活な人には、食間の服用は忘れがちとなるので薦めません。ビタミンCを寝る前に飲む…1日1回ならここが最も効果的!
ビタミンCを一日一回飲むならば、寝る前が効果的です。ビタミンCの吸収は眠っている間でも落ちません。一方、ビタミンCの排泄は眠っている間は腎臓の血流が落ちるので低下します。ですから、眠っている間はビタミンCの血中濃度の低下の仕方もゆっくりとなって、結果として高い血中濃度を得ることができます。また、ビタミンCの主な作用のコラーゲン線維の合成には、成長ホルモンが関係します。成長ホルモンは眠っている間に分泌するホルモンです。この点からも寝る前の服用は効果的です。
ビタミン剤の選び方は? 天然ビタミンCは割高だが効果は同等?
ビタミンCを多く含むのは、果物、野菜、じゃがいもなど。食物から抽出したものを「天然ビタミンC」と呼ぶことがあります。天然ビタミンCは、合成されたビタミンCより高価です。同じビタミンでも構造が複雑なビタミンEでは、天然ビタミンEと合成ビタミンEは構造が異なりますが、ビタミンCは単純な構造なので、天然ビタミンCと合成されたアスコルビン酸の効果には差はありません。市販のビタミンC製剤には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムがあります。
■日本薬局方ビタミンC(アスコルビン酸)
2016年現在、500gで定価4800円ほどで購入できるようでコストパフォーマンスは高そうです。ただし、いちいち計量する必要があるので、外出先などで服用するには、あらかじめ小分けするなどの工夫が必要です。味はそのままだと苦いので、オレンジジュースなどに添加すると飲みやすくなります。
■アスコルビン酸ナトリウム
ほぼ当量のナトリウムを含むので、塩分摂取が気になる人には薦めません。
■アスコルビン酸カルシウム
飲みやすく、不足しがちなカルシウムも摂取できるので、お薦めです。
しかし、ビタミンCはビタミン剤としては一日2000mgまでが安全とされている量なので、2000mg以上の服薬は薦めません。なおビタミンCの現在の成人の一日に取るべき量(所要量)は100mgです。