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和菓子の甘味は干し柿が基準
和菓子の甘味の基準でもある干し柿 |
渋い柿をおいしく食べる、またたくさん収穫したものを長期保存できるように加工した干し柿は、自然と時間、先人の知恵が産み出した食べ物です。和菓子では「甘さは干し柿を以って最上とする」と甘さの基準になるほどで、砂糖等がない頃には貴重なおやつだったのでしょう。また古くは、その薬効もよく知られ、疲労回復、風邪の手当法などに利用されていました。
現代の私たちは、食べ物も薬にも恵まれ、干し柿は昔の人ほど魅力的な食べ物とは思えないのが現実だと思います。でもせっかくの縁起物ですし、寒くて乾燥する季節の風邪予防、美肌づくり、便秘改善などに役立つ干し柿の魅力を詳しくご紹介していきましょう。
干すことで甘味が強くなる
カキに含まれる渋味成分は、シブオールなどの水溶性タンニンの1種で、ポリフェノールの仲間です。干し柿は、渋柿を干すことでタンニンが水溶性から不溶性になり、渋く感じなくなるのですが、タンニンが消えたわけではありません。渋柿と干し柿のタンニンの量はほとんど同じです。また干し柿を蒸したしりして加熱すると、タンニンが水溶性となって溶け出し、渋く感じたりすることがあるそうです。
また干すことで水分が抜けて糖度が高くなり、干し柿の甘味は、甘柿の約4倍にもなるのです。干し柿の表面にふいた白い粉は、糖が表面にしみ出たもので、たくさんふいているものほど甘いという目安になります。
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