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20年前のホウレンソウと比べるとビタミンは半分
2001年3月22日付けの朝日新聞で、「ホウレンソウに含まれるビタミンCが、20年前の半分に」という記事がありました。食材のカロリーやビタミン含有量を計算するために使われる「五訂 日本食品標準成分表」(旧科学技術庁資源調査会編)の野菜の栄養成分を、女子栄養大学の吉田企世子教授が四訂版(1982年)と比較したところ、ビタミンCは5品目で増加したものの、ホウレンソウやコマツナ、ブロッコリーなど15品目で減少していたのです。100g中のビタミンC
吉田教授は「三訂版から四訂版への減少は、栄養価の高い東洋種から、西洋種と交配させたものへ品種が変わったため、五訂版の減少は旬ではない夏にもホウレンソウが出回るようになったのが主因」とみています。
ホウレンソウはなぜ季節で栄養価が違うのか?
現在の『五訂 日本食品標準成分表』では、「ホウレンソウ」のビタミンCは、冬採りは60mg・夏採りは20mgと、分けて書かれてあり、季節によって栄養価が違うことを示しています。旬の野菜の栄養価については、女子栄養大学の辻村卓教授も研究しています。辻村教授らによる「出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化[2]」では、ビタミンの中でもカロテンとビタミンCに関しては、特に季節変動が大きく見られ、ビタミンCの場合、ホウレンソウは最大月の2月(73mg)は最小月の7月(9mg)の約8倍になり、トマトは、最大月の7月(18mg)は最小月の1月(9mg)の2倍という差が出ています。
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