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なめるだけで免疫力UP!?のど飴でできる風邪予防(2ページ目)

咳、鼻水、発熱とつらい風邪の季節。手洗い、うがい、マスクだけでなく、今年は「のど飴」での風邪予防も試してみませんか? のど飴をなめることで抗ウイルス作用がある唾液中の抗菌蛋白質が増やすことができます。人混みでもできる簡単で手軽な風邪予防テクニックです

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

風邪予防で味方につけたい自然免疫力…抗菌蛋白質とは?

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生体が作る抗菌蛋白質はウイルスに加えて細菌や真菌も退治します
個人にとって、新しい種類のウイルスだった場合、それまでの免疫記憶は役に立ちません。しかし動物には、免疫記憶に頼らない「自然免疫」と呼ばれる免疫があります。

中でも注目されているのが、天然の抗菌物質の一つ、「抗菌蛋白質」と呼ばれるものです。免疫担当細胞の白血球が持っている蛋白質で、細菌や真菌、多くのウイルスと闘ってくれます。

この蛋白質は粘液中にもあるのです。風邪で鼻水が増加すると、抗菌蛋白質の量が増え、他のウイルスへの感染を防いでくれます。さらに鼻水だけでなくて、唾液中にもこの抗菌蛋白質はあります。唾液中の抗菌蛋白質を味方につければ、風邪を効率よく予防できる可能性があります。
 

風邪予防に試したいのど飴の効果とは?

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のど飴は唾液を増やします!
風邪のウイルスは気道感染。鼻腔か喉から感染します。風邪で喉がいがらっぽい時は、喉で炎症が起きている可能性が高いです。

唾液中の抗菌蛋白質は、本来は虫歯予防のために役立っていると推定されていますが、風邪にも有効です。そこで、のど飴の出番です。のど飴というと、咳を押さえたいときや喉がいがらっぽいときになめる人が多いようですが、のど飴をなめることで唾液が増加するので、炎症が起きている喉を一定時間洗うことができます。これにより、唾液中の抗菌蛋白質が、喉で微生物を抑えてくれる効果も期待できるのです。

風邪に感染しやすいのは、通勤途中の混んだ車両、エレベーター、化粧室、仕切りのない会議室など。そんなときには、のど飴で、喉を防御してみてはいかがでしょうか? 会議中はエチケットの問題がありますが、食後なら虫歯予防のために、あめの変わりにガムを噛むのも効果的です。
 

のど飴の過剰摂取に注意! お腹を壊さないよう適度な量を

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キシリトールのような糖アルコールは、摂り過ぎると消化器症状に問題が!
一方で、現在手軽に手に入るのど飴を見ると砂糖ではない糖を使った製品が多いようです。低カロリーと虫歯予防の点からはメリットがありますが、これらの糖を大量に摂取することで、消化器症状が起きる可能性があります(もちろん個人差はありますが…)。

便秘傾向の方の場合は、逆に便秘が解消される場合もありますが、便秘が根本的に治るわけではありません。のど飴を中止すると、また便秘傾向に戻ります。いずれにしても、どんなものでも度を越えた摂取は健康によくありません。

必要な場で適度に活用して、効果的な風邪予防に役立てるのがよいでしょう。
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