お味噌汁を一日3杯以上飲むと乳がんの発生率が下がる

「お味噌汁を一日3杯以上飲むと乳がんの発生率が40%も下がる」というウソのようなホントのニュースが発表されました。

これは厚生労働省の研究班が、1990年から10年間、岩手、秋田、長野、沖縄の4県の40~59歳の女性を追跡調査した結果でわかったものです。

※6/18の米国立がん研究所雑誌(Journal of the National Cancer Institute, Vol. 95, No. 12, 906-913, June 18, 2003)に発表されました。ネット版要約はこちらへどうぞ

もともと実験室レベルでは、お味噌の原料となる大豆の中に含まれるイソフラボンという成分が乳がんの発生を抑制するという研究がされていましたが、今回の調査で実際にもこれが当てはまることが証明されたことになりそうです。

※なお、2014年にいままでの研究結果をまとめた報告が中国の研究者から発表されました。結論で言うと、アジア人の中高年の女性では、閉経前後といった条件にかかわらず、イソフラボンの摂取で乳がんの発症リスクが低減することが示されています。詳しくはこちらへどうぞjournals.plos.org/plosone/article

お味噌汁だけでは塩分摂り過ぎ!大豆製品全般をバランス良く!

具体的にどれくらい下がるかというと、お味噌汁を1日1杯以下しか飲まない人に比べ、3杯飲む人ではなんと発生率が半分近くにも下がることがわかりました。また同様にイソフラボンを含む大豆製品にもお味噌汁とほぼ同じ作用があるので、厚生省は「お味噌汁ばかりを飲みすぎると塩分摂取量が多くなるので大豆製品全般をバランスよく摂取して」と呼びかけています。


イソフラボンが乳がんの発生率を下げるといわれている理由

イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノール(フラボノイド)の一種で「植物由来のエストロゲン」と言われます。体内でエストロゲンと似た作用を持つので、閉経後の女性(=エストロゲン分泌が少なくなった状態)の骨粗鬆症、更年期障害、抗酸化作用を通じて動脈硬化予防などに効果があるといわれます。

もともと乳がんの発生率を上げる原因に「エストロゲンという女性ホルモンに過剰にさらされていること」ということがあります。例えば初潮が早かった人、閉経が遅かった人なんかは、少し乳がんの発生率があがるのですね。
(乳がんの危険因子については次回の記事で)
ところがイソフラボンは女性ホルモンの一種である「エストロゲン」に似た構造を持っているため、乳がんの発生率を下げるといわれています。


イソフラボンは「弱いエストロゲン」と言うところがポイント!

ここまできて、「ん?」と思われた方も多いのではないかと思います。
「イソフラボンがエストロゲンと同じ作用なら、乳がんの発生率は上がるのでは?」
・・・
ちょっとややこしい話になりますが、ここでポイントなのはイソフラボンが「弱いエストロゲン」だということ。体内活性という体の中での働きを示す指標は本物のエストロゲンの1000分の1以下ともいわれています。

そんなわけで、体のなかにエストロゲンが過剰にあるときには、イソフラボンが過剰なエストロゲンの邪魔をしてその働きを弱めてくれて、逆にエストロゲンが体内に少ない時はその代わりをしてくれるというわけです。

次のページでは、それ以外のガンの抑制作用や、イソフラボン摂取の目安を具体的な食品を挙げてご説明します。また、摂り過ぎにたいしての注意についても触れます。>>