大学生の就職活動/就職活動の選考対策

エントリーシートの書き方

エントリーシート(ES)は、履歴書の詳細版。志望動機で「熱意」を、自己PRで「求める力」が判断される。ESを突破しなければ筆記試験も面接も辿り着けない。しっかり基本を押さえて、突破率を上げよう。

執筆者:見舘 好隆

<INDEX>
  1. エントリーシートとは?
  2. 書き方の基本
  3. 志望動機の基本は「熱意」を伝えること
  4. 自己PRの基本は「求める力」を伝えること
  5. 「学生時代に最も力を入れたこと」

エントリーシートとは?

エントリーシート
エントリーシート(ES)は君の分身。面接官もESを見ながら質問してくるよ
エントリーシートとは、履歴書の「詳細版」である。履歴書は、写真や氏名、住所、学歴(職歴)、資格や特技など、個人情報を列記したものだが、エントリーシートは志望動機や自己PR、学生時代最も力を入れたことなど、個人情報以外の部分を深く記すのが特徴である。

ほとんどのエントリーシートには、以下の3大質問がある。

  1. 志望動機
  2. 自己PR
  3. 学生時代に最も力を入れたこと

とにかく、エントリーシートで落とされてしまっては筆記試験や面接にも挑戦できない。エントリーシートは、内定を取るために突破しなくてはならない第一関門。心してかかろう。

中途採用はまず、「職歴」が問われるために履歴書と職務経歴書で判断されるが、新卒採用の場合は「職歴」がない。よって入社後、活躍できるかを判断するために、エントリーシートの「志望動機」ですぐに辞めない「熱意」を確認され、「自己PR」で入社後発揮してほしい「求める力」がチェックされるのだ。

エントリーシートの書き方の基本

エントリーシート
人事は、何百、何千ものエントリーシートを読む。つまり、ぱっと見で選別されることを想定して書こう
エントリーシートはビジネス文書である。ビジネス文書の基本は、「簡潔で分かりやすく、読みやすい」ことである。よって、創作意欲は一切捨てて、初対面の人でもすぐに理解できる文章で書くことが重要となる。

書き方の基本は以下の3部構成である。

  1. 一言見出し
    まず伝えたいことを、一言で書く。例えば、「どんな人でも笑顔で話す力」
  2. 具体的エピソード
    伝えたいことがリアルに伝わってくる、具体的エピソードを書く。抽象的だとオリジナリティがなくなる。固有名詞や数詞を使おう。ネタ的には「失敗談」が良い。失敗を乗り越えた話が相手に届きやすい。
  3. 入社できたら○○
    スペースにもよるが、伝えたいことを、入社後どう生かすかを書くと、文章がうまくまとまる。

志望動機の基本は「熱意」を伝えること

エントリーシート
会社訪問や先輩訪問が、志望動機に書く最強のネタだ
志望動機の基本は、「熱意」を伝えることである。いかに第一志望か、しっかり貴社を理解して志望しているかを伝えることが大事である。理由は、何となく適当に受験する学生とは会いたくないからだ。

では、どうすれば熱意が伝わるのか。それはしっかりと企業研究をするしかない。「業界研究・企業研究」で示した通り、
  • 経営理念を暗記する
  • 求める力・求める人材像を確認する
  • 顧客を把握する
  • 競合を把握する
  • 顧客から見えにくい価値をチェックする
である。そして、究極の志望動機は、会社訪問や先輩訪問をしたことであり、さらにアルバイトやインターンシップ体験があれば、言うことなしである。

企業研究をしっかりして、熱意が伝わる文章を書こう。

自己PRの基本は「求める力」を伝えること

エントリーシート
しっかり企業研究を行い、求める力を把握し、自分の中にある「求める力」を表現すれば、必ず書類選考は突破できるはずだ
自己PRの基本は、「求める力を持っていること」を伝えることである。ピッチャーを募集している球団に、キャッチャーが得意であることを伝えてもどうしようもない。君の力を高く買ってくれる企業に対し、その力を具体的に伝えることが重要となる。

前述したが、求める力を伝えるコツは「失敗談」である。学生の成功話は、社会人から見てみたら大したことには見えない。しかし失敗談なら、そしてその失敗を乗り越えた話なら、少なくとも失敗から学ぶ力があること、同じ失敗を繰り返さないことをPRすることができる。

心配しなくても、入社してから山ほど失敗するだろう。そりゃ当り前だ。一人前になる前に誰しもが通る道だ。大切なことは、失敗にめげないことだ。失敗してもそこから何かを学び取ることだ。二度と失敗しないために何をするかを考えることだ。

入社してからも失敗にめげずに成長できる人材であることを、失敗談をネタに伝えよう。

「学生時代に最も力を入れたこと」

エントリーシート
アルバイトやゼミ、サークルなどで、最も力を入れて、失敗も含めてやり抜いたことを書こう
この設問もエントリーシートのほとんどで書かされる。この設問の意図は何か。簡単だ。「最後までやり抜いたことで、何を学んだのか?」を知るためである。

気づいたと思うが、「自己PR」とほとんど同じである。もし、同じエントリーシートに「自己PR」があった場合は、違うネタを書くようにしよう。

また、「やり抜いたことで何かを身につけ、その力を貴社で活かしたい」という文脈で書くなら、それは「志望動機」にもなる。もし、同じエントリーシートに「志望動機」があった場合は、ダブらないようにしよう(志望動機欄には先輩訪問ネタを書くなど)。

いずれにしても大切なことは、「やり抜いた経験」を書くことだ。自分の意志で取り組み、自分が中心になって進め、失敗も含めて最後までやり遂げたプロセスが、君の成長の証(あかし)だ。

企業の人事は、今の君を評価して採用するのではない。入社後の君の成長を期待して採用するのだから。
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