若者に人気の青山にある世帯数138戸の青山同潤会アパート。表参道沿いにはブテッィクなどがテナントとして入居しており、ファッションとしてもその存在が注目されています。おしゃれなエリアとしてのイメージが強く残っていますが、一歩中に入ってみると建物は老朽化が進み、長い歴史が感じられます。
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表参道のイメージとは裏腹に建物は疲弊の一途をたどる
歴史を振り返ってみると、当該アパートの誕生は関東大震災の3年後の1926年(大正15年)で、実に77年前です。長らく木造の戸建や棟割長屋が中心であったわが国の住宅に、共同住宅として建築された鉄筋コンクリート(RC)造りの草分け的住宅であり、現在のマンションの原型といえます。
同潤会とは大正12年の関東大震災による罹災者の住宅対策事業実施機関として、国内外からの義捐金を基金として大正13年に設立された財団法人で、東京や横浜の各地に耐火耐震のRC造アパートを供給しています。
■次々と建て替えが計画される
15ヶ所ある同潤会アパートのうち、そのほとんどは再開発によって建替えられ、現存しているのはごくわずかです。上記青山アパートの他に同潤会初の女性専用アパートの大塚女子アパートメントでは先月から解体工事が進んでいます。
地上5階建て、158世帯の当該アパートには食堂やエレベーター・音楽室などの共用施設があり、女性専用かつ賃貸居住のみの住宅としても注目されていました。
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地上4階建てと6階建ての2棟からなり、1934年(昭和9年)に完成しています。JR「飯田橋」駅から徒歩で約15分の住宅地に位置し、現在では現地周辺はマンションに囲まれています。
建替え後は地上11階となり平成17年3月末の完成予定です。坪内さんは既に近くに仮住まいしており、完成するのを楽しみにしているそうです。
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築69年 外壁の一部がはがれ、手すりはさびて茶色化
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2年後には11階建ての新築マンションへ変貌を遂げる
【青山同潤会アパート建替え計画】 2003年春から解体がはじまり2005年12月に完成予定。新しい建物は地上6階、地下6階で住宅と店舗の複合施設となります。表参道のケヤキ並木の景観を損ねないように建物の半分を地下へ建設します。安藤忠雄氏による設計で、表参道の新名所としてその姿が変わる予定です。事業施行者は森ビル。 |