就職活動には、5つのプロセスがある
就職活動は大別すると5つのプロセスがある。そしてそれぞれのプロセスには役割がある。- OPPORTUNITY:機会創造「自ら機会を創り出しキャリアの手掛かりを蓄えること」
- SELF:自己分析「自分自身についての情報を集めること」
- OPTION:選択肢収集「職業の可能性に関する情報を集めること」
- MATCH:意思決定「最も自分に合う仕事や会社の選択肢を選ぶこと」
- ACTION:行動「選択した職業に就くための具体的な行動をすること」
すべての記事は私が提唱する【大学生の就職活動・5つのプロセス】をベースに書いています。
さて、お気づきかもしれないが、今の学生のみなさんに一番欠けているものは、どの就職活動本にも書かれていない、1つ目のプロセス「OPPORTUNITY:機会創造」だ。この欠如こそ、みなさんにとっての一番の悩み「何がやりたいのかわからない」を生み出している原因。逆に言えばこの「OPPORTUNITY:機会創造」さえやっておけば、就職活動に行き詰まることは無い。
「機会創造」は「自己分析」の材料をたくさん格納し、「選択肢収集」の条件を明確化し、「統合・意思決定」のフィージビリティー・スタディも兼ね、そして「行動」において必要な、ネットワーキングやプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力をブラッシュアップすることにも繋がる、就職活動の基本中の基本の作業なのです。言わば「就職活動(キャリア)の手掛かり」なのです!
慶応義塾大学院・高橋俊介教授は語ります。「日本の大学や高校、中学における職業教育は欧米に比べきわめて遅れていると批判されている。この場合の職業教育とは、手に職をつけるための技術的な教育の類ではなく、働くことに対する前向きな意識やイメージを作り上げていくための教育だ。(中略)日本では職業教育がほとんど行われず、働くことに対する問題意識が希薄なまま学生時代を送り、ある日突然、就職を迫られる。」(出典:『キャリア論』)
つまり、自ら機会を創造して、その機会に飛び込み、失敗も含めた経験をしておく。
それが、自分の価値を上げ、視野を拡げ、将来へのトランジション(転機)への布石。
「機会創造」は、就職活動(キャリア)をプランする、基本中の基本なのです。
※『13歳のハローワーク』(村上龍・幻冬舎・2003)がミリオンセラーになること自体が、今の時代を象徴していると言えないだろうか。
※クランボルツ教授の「計画された偶発性理論」の研究は、花田光世・慶應義塾大学教授が主催するキャリア・リソース・ラボトリーが進んでいる。『一橋ビジネスレビュー・51巻1号』に詳しい。
※金井壽宏・神戸大学院教授の「節目のデザインとドリフト」もクランボルツ教授の「計画された偶発性理論」を活用しています。『働くひとのためのキャリア・デザイン』に詳しい。
※ご自分のキャリアに悩んでいる社会人のみなさんも「機会創造」を意識してみてください。