「トランジション」(過渡期・転換期)
「初恋」「失恋」「進学」「引越し」「結婚」「出産」「離婚」「死別」そして、特に今のみなさんなら、「就職」。
社会人なら、「転職」「転勤」「ジョブローテーション」「昇進・昇格」。
この時期はいずれも、心が不安定になる時期です。
なぜなら、古いものから新しいものへと移りゆくのですから、「別離」もあるし、「受容」もある。当然悩むし、苦しむし、辛くてたまらなくなるし、自分が分からなくなる。
このような時期を「トランジション」(過渡期・転換期)と呼びます。
就職活動をするみなさんは、今、「トランジション」の真っ只中にいるのです。
心理学者レビンソンは、みなさんの段階を「第一段階:社会に出る前後の過渡期」と位置づけて、以下のように説明しています。
- 親、社会に守られて生きるのではなく、自分で道を切り開かなくてはならない自覚を持つこと。
- 「私は誰か?」と言うに問いに答えられなくてはいけないこと。
- 進路を選択したならば、社会人としてその選択を誠実に果たさなくてはいけないこと。
うーん、なるほど。当然不安になりますよね。だってどれも生まれて初めての経験ですから。
さらにレビンソンはこの時期にぶつかる問題を説明しています。
- 「アパシー」 他人と比較して自分が劣っているのではないか?と思い込んで、無力感・無価値を感じること。
- 「離人感」 自分が自分と思えなくなる、自分が誰かに操縦されているような気がすること。
生まれて初めての経験にぶつかり、「アパシー」や「離人感」にさいなまれ、不安になる。
それはこの「就職」という「トランジション」に、誰もが遭遇する気持ちなのです。
さあ、この「不安」と、どう対峙すればいいのでしょうか?
※次のページで、「トランジション」を乗り越えるために、図を描こう!