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50代 男が始める在宅ワーク 続編(2ページ目)

会社をリストラで退職し、インターネットを利用して仕事をはじめようと思ったKさん。友だちからネットショップ経営を持ちかけられて…。

宮田 志保

執筆者:宮田 志保

テレワーク・在宅ワークガイド

お金をだして欲しい

詐欺
甘い話にひっかかるなんて…。サラリ-マン時代では考えられなかったのに…
「それでさ、開業資金なんだけどさ、30万ほどいるんだよね」
「え、資金がいるの?」
「そりゃ、そうだよ。ホームページを制作するのだって、人に頼めば何10万ってかかるんだよ。サーバーの経費とか、何だかんだと入れて60万くらいかかるから、2人でわけて30万だね」

確かに事業を始める時には、資本金が必要だし、お金もかかるだろう。まあ、30万くらいであれば投資するのも悪くないかもしれない。いかんせん、ホームページ制作がいくら位かかるものなのか、相場がわからないので、何ともいえないところなのだ。

私は、Oの口座に30万を振込むことを約束して、吉祥寺の喫茶店を後にした。後日すぐにお金を振込み、その1週間後にOは九州へ戻った。1ヶ月以内に、専用のホームページで、ネットショップをオープンする予定だ。

友情も崩れてしまうウソ

Oとは、メールで連絡をとりながら、準備を整えていった。都内のデパートを廻ってみたり、帳簿を用意したりと、自分でも楽しみができ嬉しかった。あとは、ショップのオープンを待つばかりだ。

しかし、1ヶ月が過ぎたが、Oと私のネットショップが公開されることはなかった。Oに、いつサイトができあがるのかと聞いても、商品の写真にこだわりたいとか、表示がうまくいかないという返事ばかり。あまりに日を伸ばされるので、電話をかけると、つながったはずの電話番号がつながらない。携帯もでないし、何かあったのかと、最初は連絡があるだろうと信じていたが、メールもエラーになってしまって戻ってくるようになった。

騙されたのか…。

「ホームページなんて、俺でも作れるよ」と笑っていた息子、
「自分のお店なんて素敵ねえ」と喜んでいた妻。
Oの力をあてにして、甘いプランに踊らされていた自分。情けない結果に終わってしまった。来週、あてにはならないが、九州のOの住所を訪ねてみようと思う。

個人事業主としてやっていくことは、自分自身が一事業主になることだ。営業、総務、経理作業はもちろん、コミュニケーション力、経営力、そして怪しい話を見破る力を持っていないと辛い仕事なのかもしれない。こんなに難しいとは正直思っていなかった。

また全てやりなおし、一からのスタートだ。これ以上、家族に迷惑をかけるわけにもいかない。気持を新たに頑張らねば…。

※この記事は、インタビューさせていただいた内容をガイドがまとめました。
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