失業保険は申請できる?
派遣社員でも失業保険を申請し、給付を受けることができます。ただし、一定の条件に当てはまる人しか受け取ることはできません。条件は大きく分けて3つあります。
- 就業期間や保険加入期間に関する条件
- 現在の就業状況に関する条件
- 求職の申し込みに関する条件
このうち、2は、申請時に失業中であれば、3は、ハローワークに申し込みをすれば失業保険の申請が可能です。
特に重要なのが、1の就業期間や保険加入期間に関する条件です。この条件を満たしているかどうかが申請できるかどうかのカギになります。その確認ができる書類を離職票といいます。
離職票は派遣会社に発行を依頼します。手元に申請用紙が届いたら内容を確認し、署名捺印して派遣会社に返送します。1週間ほどで派遣会社から正式な離職票が交付されます。
離職票を基に確認する、失業保険を受けるための条件
離職票には就業期間、保険加入期間等が記載されています。それを見ながら以下の条件に当てはまるか確認しましょう。
■離職の日からさかのぼった一定期間に、次の1、2の「被保険者期間」があること。
1.定年、自己都合、懲戒解雇等により離職した方(特定受給資格者以外の方)
離職の日以前2年間に、離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切った期間に賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あり、かつ、雇用保険に加入していた期間が原則満12ヶ月以上あること。(離職票-2の9参照)
2.倒産、解雇等により離職を余儀なくされた方(特定受給資格者)
上記1の要件を満たすか、もしくは離職の日以前1年間に離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切った期間に賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が6か月以上あり、かつ、雇用保険に加入していた期間が原則満6ヶ月以上あること。(離職票-2の9参照)
わかりやすいように事例に沿って見てみましょう。
■会社都合で契約解除を告げられたAさんのケース
就業期間 平成19年4月1日~平成20年12月31日(21ヶ月)
雇用保険加入期間 平成19年6月1日~平成20年12月31日(19ヶ月間)
賃金支払いの基礎日数 各月11日以上(21ヶ月)
Aさんは会社都合で離職したので特定受給資格者に該当します。条件1の要件を満たしていますので、失業保険を受けることができる条件の一つを満たしています。
■会社都合で契約解除を告げられたBさんのケース
就業期間 平成20年10月1日~平成20年12月31日(3ヶ月間)
雇用保険加入期間 未加入
賃金支払いの基礎日数 各月11日以上(3ヶ月間)
Bさんは会社都合で離職したので特定受給資格者に該当しますが、雇用保険にも未加入でしたし、賃金支払いの基礎日数が11日以上の月も3ヶ月しかなく、条件を満たしていません。
しかし、ここで失業保険を受け取ることができない、とあきらめるのはまだ早いです。
離職日の平成20年12月31日からさかのぼって1年間、つまり平成20年1月1日~平成20年9月30日までの間に、他の会社で就業していた場合は通算して条件を満たせば給付を受けることができるのです。
例えば、
就業期間 平成20年1月1日から平成20年9月30日
雇用保険加入期間 平成20年4月1日から平成20年9月30日
賃金支払いの基礎日数 各月11日以上
先の就業期間と合わせて、上記のように働いていたとすれば給付を受けることができます。
会社都合で仕事をやめざるを得なかった特定受給者の場合は、失業保険の給付はハローワークに申請に行き、受給資格が決定した日(離職票の提出を求職のも吸い込みを行った日)から7日間の待機期間を過ぎれば失業保険の給付が始まります。
給付日数は現在、解雇や倒産などの場合は原則90日から330日ですが、厚生労働省は12月5日に派遣期間満了後に契約更新されなかったり、解雇や倒産によって失業したりした年齢が高い労働者に対して失業給付の受給期間を延長する内容で改正案を提出しています。延長期間は60日を軸に調整するそうです。より安心できるような体制が整うといいですね。
今回は会社都合で離職することになってしまった場合について書きました。次回は自己都合で離職する場合の失業保険について気をつけたい事をお話します。お楽しみに。
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