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『消費税の処理』税抜き?税込み? その2(2ページ目)

前回は、消費税の処理には2つの方法があるということと、それぞれの処理の内容についてご紹介しました。さてさて、これら2つの処理方法ですが、一体どちらを選べば良いのでしょうか?

執筆者:森 康博


『経理の目的』から、経理方法を選ぶ

2会計の目的は?
日々の仕事に追われてしまうと、「何のために経理をするのか」ということを忘れてしまいがちです。
さて、あなたはどちらの処理方法を選びましたか?どちらの方法も一長一短でしたので、どちらの処理方法にも決めかねてしまうかもしれません。

このような場合には、一度『経理の目的』つまり、『なぜ会社は経理を行っているのか』に立ち返って考えるとよいと思います。

会社が経理を行っている理由、それは『会社の正確な状況を把握して、経営に役立てるため』ではないでしょうか。
今、会社は儲かっているのかどうか、今後の資金繰りの見通しはどうか、このまま決算になっていくと税負担はどうなるのか、そのような情報を得、これからどのような手を打つべきかを経営者が判断するために、会社は経理を行っているはずです。

すると、消費税の処理はどちらを選択すればよいか、見えてきますよね。
正確な数値を得ることができ、消費税負担などもすぐに分かる経理方法と言えば……
そう!『税抜経理』を選択するのがベターと言えます。

『税抜経理』は、いわゆる『大企業』はもちろんのこと『中小企業』についても、消費税の会計処理をする際の原則としてください、と『中小企業の会計に関する指針』によって決められています。

『税込経理』の出番は?

消費税の処理の原則は『税抜経理』ということでしたが、それでは『税込経理』の出番は一体いつやってくるのでしょうか?

『税込経理』の出番は、2つの場合に出てきます。

■『税抜経理』の「特例」として

『税抜経理』は消費税の処理方法の原則であり、出来るものならばこちらを採用していただきたいところです。
ただ、そんな『税抜経理』にも経理方法が煩雑だったり、消費税に関する知識が必要だったりと短所があったはずです。

経理スキルが「あと少し」といった会社に『税抜経理』を強制してしまうと、経理処理に誤りが出てしまったり、正確に出来たとしても、ものすごい時間がかかってしまうかもしれません。

経営に役立てるためには経理も「鮮度が命」ですので、そこまでして『税抜経理』にこだわらなくても良い、ということで、『税込経理』も認められています。

■消費税の『免税事業者』の経理方法として

税務上、消費税を納める義務が免除されている事業者を『免税事業者』といいますが、この『免税事業者』については『税込経理』しかとってはいけない、と決められています。

次は、『税抜経理』とうまく付き合っていくためのコツをご紹介します!
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