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『消費税の処理』税抜き?税込み? その2

前回は、消費税の処理には2つの方法があるということと、それぞれの処理の内容についてご紹介しました。さてさて、これら2つの処理方法ですが、一体どちらを選べば良いのでしょうか?

執筆者:森 康博

前回の記事では、消費税の経理方法についてご紹介しました。
『税込経理』と『税抜経理』の二つの方法があるということでしたが、すると、『一体どちらの経理方法を選んだほうが良いの?』という疑問が頭をもたげてくるのではないでしょうか?

今回は、それぞれの経理方法の長所と短所をご紹介しつつ、どちらの方法を選ぶほうがあなたの会社にとって良いのかを探っていきます。

『税込経理』と『税抜経理』それぞれの長所と短所は?

では、早速それぞれの経理方法の長所・短所をご紹介していきます。

『税込経理』

■長所
  • 本体価格と消費税の額を区別する必要がないので、処理がカンタン!
■短所
  • それぞれの勘定科目の金額が、消費税分だけ多くなる。
  • それぞれの勘定科目に消費税が含まれてしまっているので、納税・還付等の消費税の状況が一目で把握できない。
  • 勘定科目の金額が消費税分だけ多くなってしまっているので、その分、税務上経費と出来ない「交際費の額」も多くなってしまう(=税負担が多くなる)。
  • 同様の理由で、固定資産の判定や会議費の判定で税務上不利となってしまう(詳細はこちらを参照なさってください)。
『税抜経理』
「税抜」と「税込」どうする?
どちらの経理方法にも、一長一短があります。
経理方法を選択するときは、「正確さ」と「スピード」「スキル」などの面から総合的に判断する必要があります。

■長所
  • 本体価格と消費税の額とが区別されているので、各勘定科目の額が正確な金額で表示される。
  • 試算表上の「仮払消費税等」と「仮受消費税等」の差額から、納付(還付)すべき消費税の額が容易に把握できる。
  • 「交際費」「固定資産」「会議費」等、税込経理のような余分な税負担が生じない。
■短所
  • 一つの取引で二つの仕訳を切る必要があるので、手数がかかってしまう。
  • 消費税の課税・非(不)課税の判断を正確にする必要がある(間違えると、損益等も狂ってしまう)。
以上のように、どちらの経理方法にも「長所」と「短所」がありますが……
あなたなら、どちらを選ぶでしょうか?

次ページで、経理方法を選択していきましょう!
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